「こいくち」と「うすくち」、塩分が高いのはどっち? 知って得するお醤油の知識
日本料理などに欠かせない調味料の「醤油」ですが、製法などによって何種類かに分かれます。今回は「濃口」「淡口」「たまり」の3つについて、それぞれの特徴などをご紹介します。

お刺身に焼き魚、煮物と、日本の食卓になくてはならない「醤油」ですが、製法などの違いによって何種類かに分類されます。メジャーなところでは「濃口(こいくち)醤油」「淡口(うすくち)醤油」「たまり醤油」がありますが、その違いについて正確に知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこでオトナンサー編集部では、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに取材、3つの醤油の特徴やそれぞれに合う料理について聞きました。日々のお料理にちょっとだけ、知識をプラスしてみてください。
濃口醤油は生産量全体の8割以上
大手メーカーのキッコーマンによると、濃口醤油は日本の醤油生産量の8割以上を占める最もポピュラーなもので塩分は約16%。麹は蒸した大豆と炒めて砕いた小麦を等量ずつ混ぜて作り、香りと色、味のバランスに優れているのが特徴。卓上調味料のほか、煮物、焼き物、だし、タレなど調理用として「オールマイティーに使えます」(関口さん)。
淡口醤油の生産量は13%程度。淡口は「色が淡い」という意味で、塩分は18~19%と濃口よりも約2%高くなっています。醤油は発酵・熟成が進むほど色が濃くなり、風味が豊かになりますが、淡口醤油は高濃度の食塩で熟成を抑え、醸造期間も短いため、色が淡くなります。淡口醤油は「醤油独特の香りや風味、色なども控えめ。野菜の煮物など素材の味や色を生かす料理や、うどんのつゆに最適です」。
たまり醤油が生産量全体に占める割合は2%弱、塩分は濃口と同程度です。その特徴は、ほとんど大豆だけで作られること。大豆を蒸してみそ玉を作り、これに麹菌を植えつけ、塩水に仕込んで1年間熟成されます。大豆のたんぱく質に由来するうま味成分が多く、濃厚で、香りも重たい感じがしますが、最近は香り立ちを重視したものもあります。
「たまり醤油はお刺身以外にも、加熱すると美しい赤みを帯びるため、お煎餅などの付け焼きに使われます」。
いかがでしたか。それぞれの醤油の特徴や使い方を正しく知って、日々のお料理をよりおいしく楽しみましょう。
(オトナンサー編集部)
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