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ほかに行ってと言われ…災害時に「避難所」が満員だったら、どう行動すべき?

住民と自治体が準備しておくべきこと

Q.「満員」という事態に備え、住民は普段から何らかの準備をしておくべきなのでしょうか。

島崎さん「まず、普段から自宅または職場などが『避難する必要がある場所』なのかどうかを確認しておきましょう。大雨などの際、浸水する場所なのか、土砂災害の危険がある場所なのかということです。不要なら、広域に発せられている避難指示や勧告が出ても逃げなくてよい可能性もあります。

そもそも、自分が住んでいる自治体が避難指示や勧告をきめ細かく出すのかどうかも事前に確認しておくとよいです。必要であれば、避難所以外にも、さまざまな避難先を考えておく方がよいでしょう。その場所は、必ずしも公共の場所である必要はなく、親戚や友達の家でもよいと思います。自治体によっては、いざというときに友達や親戚の家に逃げ込めるよう個人協定を結んでおくことを推奨する取り組みをしています。それらの場所は、公設の避難所よりずっと快適でもあります。

そもそも、避難所に行くことが最善の選択肢ではない場合もあります。例えば、地震の避難所としては機能する一方、水害のときは逃げてはいけない避難所もあります。しかし、そのことを確認せずに『とにかく近くの避難所』と思っている人も多いのではないでしょうか。東日本大震災では津波に襲われた避難所がありました。低地では海抜ゼロメートルのところにある小学校も多いです。自宅近くの避難所がどういう場所にあるのか知っておくことも大切です」

Q.では、自治体の側が、避難所について普段からやっておくべきことは。

島崎さん「もともとは指定避難所ではないものの、指定避難所が満員になったら開ける施設も計画しておくとよいです。それが公共施設でない場合は、所有者や管理者との事前協議が必要になるので、その話し合いも進めるべきです。東京都世田谷区は、区内の大学や私立学校と協定を結んでいます。安全で雨風がしのげれば、ショッピングモールでも映画館でもどこでもよいのです。避難の長期化も想定して、車で1時間ほどの距離で同時被災がなさそうな自治体と連携協定を結ぶことも重要だと思います。

もう一つ、避難所をスムーズに開けられる準備も大切です。東京都足立区の避難所運営マニュアルには、避難所の窓の写真とともに『鍵を持った人がすぐに来なかったら、ここの窓を割って入ること』と書かれています。『非常時なので、命を守るために普段やってはいけないこともやっていい』というメッセージにもなっています。

災害時はさまざまなところが機能不全になっているので計画通りにはいきません。『居合わせた人でどうにか乗り切っていいんだよ。それをやっても怒りませんよ』というメッセージを発信し続けることが重要ではないでしょうか。そうしなければ、皆責任を取らされることを恐れて動けなくなってしまいます。住民が自分で避難所以外の安全な場所も確保できるよう、普段から考えておくことを推奨することも重要です」

Q.災害に備えて、一人一人が心掛けておくべきことは。

島崎さん「自分の命のことなので、行政に頼り切りではまずいでしょう。繰り返しになりますが、自分の家が危険かどうかは、自分がまず知っておくべきですし、避難場所の選択肢として、避難所以外の『安全で雨風がしのげる』場所を個人レベルで複数見つけておき、行き方も確認しておくことが大切です。また、『避難指示が出たら逃げよう』などと人の判断に頼るのではなく、自分なりに『こうなったら避難を始める』というタイミングも決めておくべきです。

避難指示や勧告は子どもや外国人など、自分の身に危険が迫っているかどうかを自分で判断することが難しい人のためにあると思います。自分で判断できる人は自分で考えましょう。今回、満員になる避難所があったことは課題でもありますが、避難した人がそれだけ多かったという意味では良い傾向だと思います。防災・減災を呼び掛ける側は、ほとんどの人が避難してくれず悩んでいたからです。

『避難所が満員になることもある』と知った人たちが率先して、満員になるより前に誰よりも早く避難所に行くようになれば、『命を守る』という最も大切な目的が、より確実に達成できるのではないでしょうか」

(オトナンサー編集部)

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コメント

1件のコメント

  1. 『避難所が満員になることもある』と知った人たちが率先して、満員になるより前に誰よりも早く避難所に行くようになれば、『命を守る』という最も大切な目的が、より確実に達成できるのではないでしょうか」

    自分さえ良ければいいとゆうことでしょうか。
    とても違和感を感じます。