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歌、ラジオ、吹き替え…無双状態に入った菅田将暉は「令和」のアイコンとなるか

歌、ラジオ、吹き替え…と、何をやっても成功する無双状態の菅田将暉さん。新しい時代「令和」のアイコンとなるのでしょうか。

菅田将暉さん(Getty Images)
菅田将暉さん(Getty Images)

 3月まで放送された「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)のヒットが記憶に新しい4月、菅田将暉さんがさらに活動を加速させています。

 自らが出演していないドラマ「パーフェクトワールド」(フジテレビ系)で主題歌を担当。しかも、その主題歌「まちがいさがし」は米津玄師さんプロデュースの楽曲であり、「いい声で聴けば聴くほど嫉妬する」と絶賛されたことも話題になっています。

 その米津さんも4月22日に出演した「菅田将暉のオールナイトニッポン」の放送は、今月で100回記念を迎えるなど絶好調。同じ声の仕事では、4月19日に公開された米国のヒット映画「シャザム!」で初の吹き替えに挑戦し、しかも主演を務めました。

 その他でも、「サムソナイト」のイメージキャラクターに就任したり、「niko and…」のアンバサダーとして登場したり、2月に発売されたアニバーサリーブック「誰かと作った何かをきっかけに創ったモノを見ていた者が繕った何かはいつの日か愛するものが造った何かのようだった。」もいまだ売れ続けるなど、さまざまな点でニーズの高さを見せています。

 もはや「何をやっても成功する」という“無双状態”であり、7月には主演映画「アルキメデスの大戦」、11月には主演舞台「カリギュラ」と大作が控えるなど、来る令和時代の主役となることが予想されます。

「普通」でエリートではない親近感

 なぜ、菅田さんはこれほど多方面で活躍できるのでしょうか。

 当然ではありますが、最大の理由は「俳優としての技量が確かであり、出演作を重ねて人々の信頼をつかんだ」から。3月に「コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞2018」の主演男優賞を受賞(「dele」=テレビ朝日系=で山田孝之さんとダブル受賞)したことからも分かるように、その演技力は日本中の人々から認められています。

 同賞の審査会に筆者も参加していましたが、審査員の一人から「菅田さんは狂気の人だけでなく、普通の人を演じられるのが強み」という声が上がっていました。当事者の菅田さん自身もこれまで何度か、「身長も高くない(176センチ)し、A型だし、濃くも薄くもない顔ですべて普通だから」と語っていたように、演じられる役柄の振り幅が広いのです。また、「普通」だからこその親近感があるため、ラジオや吹き替えなどでも聴きやすい声なのでしょう。

 もともと、菅田さんは芸能界という枠組みの中では、エリートとは言えない存在。大手芸能事務所「アミューズ」のオーディションに落選し、「ジュノンスーパーボーイコンテスト」でもファイナリストに入ったのみでグランプリはおろか、他の賞も獲得できませんでした。

 2009年に「仮面ライダーW」(テレビ朝日系)の主演を務めた後もすぐにブレイクしたわけではありません。地道に助演での出演を重ねてジワジワと評価を高めていったことも、好感度が高い理由の一つとなっています。

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木村隆志(きむら・たかし)

コラムニスト、コンサルタント、テレビ解説者

雑誌やウェブに月間30本前後のコラムを寄稿するほか、「週刊フジテレビ批評」などに出演し、各局のスタッフに情報提供も行っている。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアー、人間関係のコンサルタントとしても活動中。著書に「トップ・インタビュアーの『聴き技』84」「話しかけなくていい!会話術」など。

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