従業員の「奨学金」肩代わり 企業が「返還支援制度」を導入する“切実な理由”とは 支援サービスの運営会社に聞く
「奨学金返還支援制度」を導入する際の「壁」とは?
Q.これだけの恩恵が受けられるのであれば、全ての企業が実施すべきだと思いますが、導入に関して注意すべきことや、デメリットなどはあるのでしょうか。
大野さん「はい、実は、企業が単独で導入しようとすると、4つの高いハードルに直面します」
(1)公平性
奨学金を返還している従業員と、そうでない従業員とのバランスをどう考えるか。新卒だけでなく、既存社員への対応についても検討が必要になります。
(2)ルールの整備
一度始めると途中でやめにくく、返還方法や期間を含めた中長期的な視点での設計が求められます。
(3)規程の整備
属人化を防ぎ、不確実性や曖昧さを避けるためにも、規定を整備する必要があります。
(4)費用対効果
返還支援によって期待できる効果は、主に離職防止や入社意思決定の後押しですが、多くの人に認知させられるとは限らないため、円滑な人材確保は難しいと言えます。
特に中小企業においては、事務処理に割く人員の不足や、費用対効果が見えにくいと行った課題があり、導入を阻害する大きな「壁」となっているのが実情です。
Q.人手不足がより深刻な中小企業こそ導入すべき制度だと思いますが、そうした課題を解決する手段はないのでしょうか。
大野さん「当社が運営する奨学金返還支援プラットフォーム『奨学金バンク』が、これらの課題を包括的にカバーします。
『奨学金バンク』とは、求職中かつ奨学金の返還をしている人材を、人材不足に悩む企業に紹介し、その成功報酬として受け取る紹介手数料の一部を返還原資に充てる仕組みです。これにより、企業は一般的な採用費用と同等のコストで支援をスタートできるのです。
先ほど挙げた、自社単独での導入における4つのデメリットも、全て解決することが可能です。奨学金バンクを利用することで次の4つのメリットが生まれます」
(1)公平性の担保
当社が手数料の中から返還を行うため、導入企業内での社員間の不公平が生まれにくいです。
(2)ルールの整備が不要
当社の規定ルールに基づいて返還するため、導入企業で細かな設定をする必要がありません。
(3)規程の整備の手間を削減できる
事務手続きを当社側で行うため、就業規則の大幅な変更などの手間を削減できます。
(4)費用対効果
「日本初の代理返還モデル」として、当社が広くプロモーションを行うため、自社単独では難しい「円滑な人材確保」まで実現可能です。
さらに重要なのが、寄付などの調達金および未使用の支援金などの余剰資金を、奨学金返還を支援している人へ再配分する仕組みです。奨学金バンクは、企業からの手数料だけでなく、個人・団体からの寄付金や、ブランディングを支援するプランによる収益など、複数の資金源を持っています。これらを返還支援が必要な人へ再配分し、支援期間を延長する仕組みがあるため、企業が単体で支援を行うよりも、はるかに効率的かつ効果的に「人材確保」と「奨学金返還支援」を両立できるメリットがあるのです。
Q.今後の展望について、教えてください。
大野さん「若者を苦しめる奨学金返還負担の増加は、決して個人の責任ではなく、社会構造が生んだ問題です。だからこそ、この問題に真摯(しんし)に向き合う企業こそが、若手人材に選ばれる企業になります。優秀な若手人材を獲得したい企業こそ、率先してこの解決に取り組んでいただきたいです。
そして、奨学金返還支援は、目の前の従業員を助けるだけでなく、未来の人材への投資でもあります。返還された資金がまた新たな借り手に渡り、新たな学びを支える資金となる。『奨学金バンク』は、この就学・就業のサイクルを、社会インフラとして下支えしていきます」
(オトナンサー編集部)




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