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24歳ひきこもり長女が「うつ病」と診断 対策を3年以上“先延ばし”した母が直面した「まさかの現実」

診断書が2枚必要になってしまうケースも

大西百絵(仮名)さんの初診日、障害認定日
大西百絵(仮名)さんの初診日、障害認定日

 私は母親に次のような説明をしました。

「障害認定日から1年を経過した日以降に障害認定日による請求をする場合、障害認定日当時の診断書に加え、現在の診断書も提出するルールになっているのです。これをお嬢さまに当てはめるとこのようになります」

 そして、私は百絵さんの初診日や障害認定日などをまとめた図表を提示し、注意点を説明しました。

「現在の診断書には有効期限があります。具体的には、現症日(いつの日の障害状態なのかを記載したもの)から3カ月以内となっています。仮に現在の診断書の現症日が2025年11月25日だったとすると、有効期限は2026年2月24日までとなります。つまり2026年2月24日までに必要書類をそろえて障害基礎年金の請求をしないと、現在の診断書は期限切れで無効となってしまうのです。一方、障害認定日の診断書に有効期限はありません。一度入手しておけばずっと使えます」

「障害認定日による請求を先延ばしにしてしまったため、診断書が2枚必要になってしまうのですね。もし障害認定日による請求が認められなかったらどうなってしまうのでしょうか」

「仮に障害認定日による請求が認められなかったとしても、事後重症による請求の方が認められれば、請求月の翌月分から障害基礎年金は発生します。認定日による請求、事後重症による請求のどちらが認められるかどうかは、実際に請求してみないことには何も分かりません。いずれにせよ請求は早い方が望ましいでしょう」

「分かりました。それで請求に向けて何から始めればよいのでしょうか」

「まずは『お嬢さまの障害認定日当時の日常生活の困難さ』と『現在の日常生活の困難さ』を具体的に文書にまとめ、それを医師にご覧いただき、診断書を書いてもらうようにしましょう。また、診断書以外にも『病歴・就労状況等申立書』という書類も作成しなければなりません。こちらは、うつ病を発症した当時から現在までの様子をできるだけ詳しくまとめます。障害基礎年金が受給できるかどうかは、診断書と病歴・就労状況等申立書の記載内容によるところが大きいからです」

「何だか大変そうですね…。果たしてできるかどうか」

「お嬢さまの同意が得られれば、私も文書作成のお手伝いをすることができます。ご安心ください。

「それは心強いです。さっそく長女に事情を話してみます。長女の同意が取れたらご連絡差し上げます。その際はご協力どうぞよろしくお願いいたします」

 母親はそのように言いました。

 このように、障害年金の請求を先延ばしにすると、手続きが煩雑になる可能性があります。もし障害年金の請求を検討していて自力で必要書類の作成が困難な場合、できるだけ早めに社労士などの専門家に相談し、対処するようにしましょう。

(社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー 浜田裕也)

【画像】要注意! これが、ひきこもりの人にやってはいけない“NG行為”です

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浜田裕也(はまだ・ゆうや)

社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー

2011年7月に発行された内閣府ひきこもり支援者読本「第5章 親が高齢化、死亡した場合のための備え」を共同執筆。親族がひきこもり経験者であったことから、社会貢献の一環としてひきこもり支援にも携わるようになる。ひきこもりの子どもを持つ家族の相談には、ファイナンシャルプランナーとして生活設計を立てるだけでなく、社会保険労務士として、利用できる社会保障制度の検討もするなど、双方の視点からのアドバイスを常に心がけている。ひきこもりの子どもに限らず、障がいのある子ども、ニートやフリーターの子どもを持つ家庭の生活設計の相談を受ける「働けない子どものお金を考える会」メンバーでもある。

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