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飼っている犬が「他人をかんだ」ら、飼い主は逮捕されてしまうのか【弁護士が回答】

飼い主が責任を免れるケースはあるのか

Q.犬が他人をかんだ場合、飼い主はやはり損害賠償が必要になるのでしょうか。

佐藤さん「民法718条1項本文は、『動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う』と定めており、飼い犬が人をかんでケガをさせた場合、飼い主は原則として、治療費や慰謝料などの損害について賠償責任を負います」

Q.ちなみに、犬が他人をかんでも、飼い主が責任を免れるケースはあるのですか。

佐藤さん「先述の民法718条1項は、但書で『ただし、動物の種類および性質に従い相当の注意をもってその管理をしたときは』賠償責任を負わないとしています。

『相当の注意』をしていたか否かは、▽動物の種類、年齢、雌雄▽動物の性質、性癖、病気▽動物の加害前歴▽飼い主の保管に対する熟練度、動物をならしている程度、加害時の措置態度▽保管の態様▽被害者の警戒心の有無、被害誘発の有無、被害時の情況―など、諸般の事情を考慮して判断されます。

実際の裁判では、飼い主の免責を容易に認めない傾向があり、たとえリードで犬をつないでいたとしても、それだけでは『相当の注意』を尽くしたとはいえないとして、損害賠償責任が肯定されることがあります。例えば、リードを長くして犬を散歩させ、飼い主が犬をコントロールできない間に、飼い犬が人を傷つけたような場合、飼い主の責任は肯定されるでしょう」

(オトナンサー編集部)

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佐藤みのり(さとう・みのり)

弁護士

神奈川県出身。中学時代、友人の非行がきっかけで、少年事件に携わりたいとの思いから弁護士を志す。2012年3月、慶応義塾大学大学院法務研究科修了後、同年9月に司法試験に合格。2015年5月、佐藤みのり法律事務所開設。少年非行、いじめ、児童虐待に関する活動に参加し、いじめに関する第三者委員やいじめ防止授業の講師、日本弁護士連合会(日弁連)主催の小中高校生向け社会科見学講師を務めるなど、現代の子どもと触れ合いながら、子どもの問題に積極的に取り組む。弁護士活動の傍ら、ニュース番組の取材協力、執筆活動など幅広く活動。女子中高生の性の問題、学校現場で起こるさまざまな問題などにコメントしている。

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