石原さとみさん「校閲ガール」、河野悦子は憧れの編集者になれるのか 「異動の約束」の法的意味
石原さとみさんが連続ドラマで演じている、編集者を夢見て奮闘する主人公が人気です。編集部志望だった主人公は校閲部に配属され、部長から「仕事ぶりが認められれば希望の部署に移れるかもしれない」と言われるのですが…。

女優の石原さとみさんが主演する日本テレビ系連続ドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」の好調が伝えられています。
同ドラマは、編集者に憧れて出版社に入社するも、誤字脱字などをチェックする校閲部に配属されてしまう主人公・河野悦子が持ち前のポジティブな性格で、さまざまな騒動を引き起こしていくストーリー。
その初回では、編集部に配属されると思い込んでいた悦子が、校閲部部長の茸原(岸谷五朗さん)に猛抗議し、茸原から「仕事ぶりが認められれば希望の部署に移れるかもしれない」と言われるシーンが描かれました。
オトナンサー編集部では今回、悦子のような会社員が上司から、異動(昇進)について“口約束”されることの法的意味について、アディーレ法律事務所の島田さくら弁護士に取材しました。
条件をつけた合意は無効になる
島田さんは、今回の悦子の事例について「たとえ口約束であっても、人事権を持つ人が『条件を達成したら異動させる』と約束したのであれば、その約束は会社と労働者を拘束することになります」と話します。
しかし悦子の場合、上司の茸原が「校閲部部長」に過ぎないため、編集部の人事にまで口出しできる権利を持っているわけではなく、「合意しても会社自体を拘束することにはならないでしょう」(島田さん)。
さらに島田さんによると、茸原は「仕事ぶりが認められれば希望の部署に移れることもある」としか言っていないため、これで「異動に合意した」とするのは無理があるそう。仮に人事権のある人が「仕事ぶりが認められれば希望の部署に異動させる」と言い切ったとしても、「民法上、こうした条件をつけた合意は無効になるでしょう」。
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