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給食費値上げに「やむを得ない」「税金の無駄遣いなくせ」などの声、各自治体の事情は?

小中学校の給食費値上げが各地で相次いでいます。ここ数年の食材高騰に加え、来年10月予定の消費税増税も影響しているようです。

横浜市の学校給食献立例。左から2011年度、2017年度(横浜市教育委員会提供)
横浜市の学校給食献立例。左から2011年度、2017年度(横浜市教育委員会提供)

 乳製品や小麦粉などの値上がりが相次ぐ中、小中学校の給食費も各地で値上げの動きが出ています。ここ数年の食材高騰に加え、来年10月予定の消費税増税も影響しているようです。値上げ前の給食費では、国が示す栄養基準を満たせないケースもあり、SNS上では「子どもたちの成長や健康のためにはやむを得ない」「税金の無駄遣いをなくせば賄えるのでは」などの声が上がっています。各自治体に聞きました。

メロンを半分にするなどの節約も…

 学校給食は法律で、人件費や施設経費などは行政が負担する一方、食材費は保護者が負担することが原則となっています。給食調理の現場では、さまざまな工夫を凝らしているようですが、食材の高騰分をカバーするのは難しいようです。

 今年9月から、小学校の給食費を従来の月4000円から4600円に引き上げた横浜市。デザートのメロンを半分にするなどして節約してきたものの、限界だったようです。値上げは9年ぶり。市教育委員会健康教育課の植村一人課長に聞きました。

Q.食材価格の高騰が値上げの理由の一つということですが、主に高騰したのは。

植村さん「野菜や魚類、果物を中心とした生鮮食品です」

Q.今年に入り、チーズや小麦粉などが値上がりしていますが、織り込み済みですか。

植村さん「給食費改定を決めたのは今年1月で、それらの値上げは分かっていませんでした。ただ、今回の値上げで何とかやっていけるかな、と思っています」

Q.値上げについて、保護者や市民の反応は。

植村さん「『なぜ値上げするのか』という質問は数件ありましたが、『上げるべきではない』という声はほとんどありませんでした。『上げるなら、給食の内容を充実させてほしい』という意見もありました」

 来年4月からの給食費値上げを決めたのは静岡県富士市です。小学校は400円増の月4900円(旧富士川町内は4700円)、中学校は460円増の5800円(同5560円)になります。市教育委員会学務課の担当者に聞きました。

Q.値上げの理由を教えてください。

担当者「富士市では、2008年度に給食費を見直して以来、11年ぶりの値上げとなります。この間、消費税が5%から8%になりましたが、肉の種類を変える、デザートの回数を調整するといった現場の工夫と努力でしのいできました。

しかし、富士市の学校給食における平均購入価格は、食パンや麺類など主食が4年間で12%上昇、野菜や魚介類、卵、肉類などの副食材が3年間で22%上がるなど、食材の購入価格が上昇しています。給食で提供すべき摂取カロリーや栄養バランス、地域の特徴を生かしたメニューなど、給食の質を維持するため、給食費を値上げさせていただく必要が生じました」

Q.2019年10月の消費税引き上げも加味しているのでしょうか。

担当者「給食材料自体には軽減税率が適用される見込みですが、配送に伴うガソリン代や消耗品など関連する物への影響はあると考えています。今回の改定は消費税引き上げの影響も加味しており、来年10月に再度値上げをすることは考えていません」

Q.今年に入り、チーズや小麦粉、パンなどが値上がりしています。こうした値上げは織り込み済みなのでしょうか。

担当者「今年度は学校給食で使用するチーズやパンは値上がりしていませんが、今後も食材料費の調達と給食費のバランスは検討していく必要があると考えています」

Q.保護者や市民の反応は。

担当者「給食費改定は学校長代表、PTA会長代表、PTA役員代表からなる委員会で審議しました。あらゆる物価が値上がりしている現状から、『改定はやむを得ない』とご理解を頂きました。全校の校長、PTA会長が集まった場で検討内容を伝え、承認を頂いて決定しています。11月に、全保護者へ給食費の改定内容を通知しましたが、これまでのところ反対意見はは届いていません」

 仙台市も値上げを検討中です。「米やパン、牛乳の価格が上がり、副食費に回せる額が減った上、豚肉や野菜も高騰した」(市教委)結果、小学3、4年生の栄養量の充足率(今年6月の1カ月平均)が鉄分=70%、ビタミンB1=88%、食物繊維=80%と栄養基準に達していないとのことです。郡和子市長は11月13日、「大変な苦労をしても栄養状況が賄えないのであれば、値上げせざるを得ない時期」と表明しました。

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