自分でシャンプーとリンスを混ぜて作った「リンスインシャンプー」、製品同様の効果は?
シャンプーとリンス、コンディショナーが一体となったヘアケア用品がありますが、それらを自分で混ぜても同様のものを作れるのでしょうか。

洗髪はシャンプーの後にリンス、あるいはトリートメントの順番が一般的ですが、シャンプーとリンス、シャンプーとトリートメントの効果が一緒になったヘアケア用品もあります。なぜ、効能が異なるものを混ぜても両方の効能が得られるのでしょうか。また、消費者が自分でシャンプーとリンス、トリートメントをそれぞれ混ぜても、市販品同様の効能を得られるのでしょうか。花王(東京都中央区)の広報担当者に聞きました。
絶妙のバランスで成り立つ市販品
Q.そもそも、シャンプーにはどのような効能があるのですか。
担当者「シャンプーは、毛髪や頭皮の汚れを落とすためのものです。また、泡立ちをよくする成分が含まれており、毛髪同士の擦れや絡まりを防ぐ効能もあります。洗髪時に毛髪同士が擦れると、髪を構成する成分のキューティクルが傷んだり、毛がちぎれたり、ダメージを受けたりすることがあるためです」
Q.リンスやトリートメントの効能は。
担当者「リンスやトリートメントには、洗浄後の髪表面の滑りをよくしたり、髪の傷みを補修したり、油分を補ったりと髪を仕上げる効能があります。他に、製品によってさまざまな効果や成分があります」
Q.「リンスインシャンプー」「トリートメントインシャンプー」は、効能が異なるヘアケア用品を組み合わせたものです。なぜ、それぞれの効能を出せるのでしょうか。
担当者「ほとんどの製品は、数多くの成分を組み合わせて作られています。その成分ごとの性質を十分に理解し、評価した結果を元に、絶妙のバランスで組み合わせているからです。安定性や液内に存在する分子の状態を把握して製品化しています」
Q.「リンスインシャンプー」「トリートメントインシャンプー」が開発された理由は。
担当者「『リンスインシャンプー』が誕生したのは1989年ごろです。当時は『シャンプーとリンスの両方をするのは時間がもったいないが、髪はきれいにしていたい』という消費者ニーズがありました。時代背景として、朝に洗髪する『朝シャン』や、好景気で忙しい人が多くいました。超ロングスタイルやウエーブヘアなどが流行したのもこの頃です」
Q.「リンスインシャンプー」「トリートメントインシャンプー」を使うと効果的なのは、どのような時ですか。
担当者「最近では、生活空間にいろいろなものを置きたくない、シンプルでスマートライフ思考のミレニアル世代にお勧めです。小さなお子さまに対しても、『シャンプー→すすぐ→リンス→すすぐ』という洗髪のステップが簡単になるのでお勧めです。特に『イヤイヤ期』のお子さまには短時間で洗髪できてお勧めです」
Q.消費者が単品のシャンプーとリンス、あるいはシャンプーとトリートメントをそれぞれ混ぜて使用するとどうなりますか。
担当者「自分で混ぜても、『リンスインシャンプー』『トリートメントインシャンプー』にはなりません。単に混ぜただけでは、分離したマヨネーズのように成分が固まったり、分離したりしてしまうからです。特に、泡が立たなくなったり、汚れ落ちが悪くなったりと、シャンプーとしての効果に影響が出ます」
Q.どのような仕組みで、そうなるのですか。
担当者「シャンプーの洗浄成分と、リンスやトリートメントの滑りなどの成分は、電気のプラスとマイナスの性質が逆で、混ぜるとお互いに引き合って効能を打ち消します。一方、『リンスインシャンプー』に使用している滑りなどの効果成分は、同じ成分が集まった高分子という形になっており、洗う成分と反応しにくく、すすぐ際に成分が髪表面に残りやすくなっています」
(オトナンサー編集部)
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