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布団に入ってもなかなか眠れない…「そのまま寝る」のがNGなワケ 睡眠の専門家が解説

布団に入ってもなかなか眠ることができない原因や対処法について、上級睡眠健康指導士に聞きました。

布団に入ってもなかなか眠れない原因は?
布団に入ってもなかなか眠れない原因は?

 布団に入ってから、なかなか眠りにつくことができず困ったことはありませんか。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。夜になかなか眠れないときの対処法のほか、やってはいけない行為などについて、上級睡眠健康指導士の山本智子さんに聞きました。

眠れないときは一度布団から出ること

Q.人が布団に入ってから眠りに入るまでにどの程度の時間がかかるのでしょうか。

山本さん「個人差はありますが、10~20分程度で眠りにつける人が多いようです。逆に横になったら一瞬で寝付くことができるという人は寝付きがよいというわけではなく、慢性的に睡眠不足の状態である可能性が高いです。または、睡眠時間は足りていても睡眠の質が悪い可能性があります」

Q.布団に入ったものの、なかなか眠れないことがあります。この場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。

山本さん「慢性的に寝付きに時間がかかっていることで、『布団=眠れない場所』という条件付けが行われている可能性があります。また、寝る直前に熱いお風呂に入るなどして体温が上がり過ぎていることや、日中の嫌なことを思い出して、イライラや心配事を抱き、交感神経が優位になっている可能性が考えられます。寝る前は脳を興奮させないことと、深度体温を下げることを意識しましょう。他には騒音や光などが原因で寝付くことができないケースも考えられます」

Q.布団に入ったもののなかなか眠れない場合、どのように対処したらよいのでしょうか。お勧めの対策、避けるべき行為についてそれぞれ教えてください。また、眠りに入るまでに時間がかかる場合、医療機関を受診した方がよいのでしょうか。

山本さん「布団に入ってから30分たっても寝付くことができないときは、いったん布団から出た方がよいでしょう。寝付けないのにずっと布団で横になっていることが一番NGで、これが続くことで『布団=眠れないところ』という条件付けがされてしまい、慢性的に寝付きが悪くなる原因になります。

頑張って寝るということは不可能です。頑張って寝なきゃと思うと交感神経が優位になってしまうので、眠る状態ではなくなってしまいます。30分たっても寝付けないときは布団から出てゆっくりと過ごし、眠くなったらまた布団に入りましょう。

明日は仕事があり、そうも言っていられないという場合は、眠たくなるまでソファなどで横になるようにしましょう。あくまでも、布団は寝るところであると条件付けられるようにする工夫が必要です。寝付くのに長時間かかって苦痛であると感じる場合は、医療機関の受診を検討してみてもよいでしょう」

* * *

 一般的に布団に入ってから10~20分程度で眠りに入ることが分かりました。30分以上たっても寝付けない場合は布団から出ることで、「布団=眠れないところ」という条件付けがされないように工夫する必要があるとのことです。

 もしどうしても寝付くことができず、苦しいと感じた場合は睡眠外来や精神科、心療内科を受診してみてはいかがでしょうか。

(オトナンサー編集部)

【要注意】これが、睡眠の質を悪化させる“NG行為”です(画像6枚)

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山本智子(やまもと・さとこ)

上級睡眠健康指導士

大学時代に臨床心理学科にて睡眠の研究に従事。15年間の会社員生活の後、2022年に独立。中小企業の人手不足倒産を防ぐための事業の一環として、睡眠改善を用いた健康経営支援を実施。上場企業、小学校、中学校、地域のサロン、オンライン等で、「睡眠衛生教育」に関する講座実績多数。公式ホームページ(https://www.growthmuch.com

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