英ポンドが1985年以来の対ドル安値を再更新、「ハードブレグジット」売り圧力に
10月5日の外国為替市場で英ポンドがドルに対して一時1ポンド=1.27ドルを割り込み、1985年6月以来約31年ぶりの安値を再更新しました。
10月5日の外国為替市場で英ポンドがドルに対して一時1ポンド=1.27ドルを割り込み、1985年6月以来約31年ぶりの安値を再更新しました。ポンドは対ユーロでも一時、1ユーロ=0.8830ポンド台と約5年ぶりの安値をつけました。
マネースクウェア・ジャパンの八代和也アナリストによると、足元のポンド安は、英国のメイ首相が10月2日の保守党大会で、2017年3月末までに欧州連合(EU)離脱を通知すると表明したことが発端です。
英国がEU単一市場へのアクセスよりも移民流入の制限を優先する姿勢を示していることから、市場では経済への悪影響とともに、ロンドンから国外に金融機関の大量流出を招くとの懸念が浮上しているといいます。
英国がEU単一市場へのアクセスを失う「ハードブレグジット(ハードなEU離脱)」との言葉もささやかれ、そうした状況がポンド売り圧力につながっているそうです。
また米連邦準備制度理事会(FRB)当局者が今週に入り、相次いで利上げに前向きな姿勢を示したことで、FRBの年内利上げ観測が高まっており、「ポンド/ドルは、ポンドサイド、ドルサイドの双方向から下落圧力が加わりやすい地合いです」(八代さん)。
八代さんは「今夜発表される9月の米ISM非製造業景況指数が堅調な結果になれば、ポンド/ドルに対する下落圧力が一段と強まる可能性があります」と話しています。
(オトナンサー編集部)
コメント