白菜の表面にある「黒いブツブツ」に不安の声「汚れ?」「虫っぽい」→野菜のプロに聞いたら“意外な正体”明らかに
白菜の表面で見ることのある、黒いブツブツのような“斑点”。「汚れ?」「虫っぽい」など不安の声が聞かれますが、実は「そのまま食べてOK」だそう。その正体について聞きました。

鍋の季節に欠かせない野菜の一つ「白菜」。白菜といえば、表面に黒いブツブツのような“斑点”を見かけることがあります。この斑点については「汚れ?」「気になるから、表面をそぎ落としてる」「毎回めちゃくちゃ洗ってます」「なんか虫っぽくて…」「斑点の部分は食べないようにしてるなぁ」など、「斑点=有害かもしれない」という不安から、「食べる前に取り除くようにしている」という人も少なくないようです。
白菜の表面にある黒いブツブツは、果たして有害なのか……一般社団法人日本野菜ソムリエ協会(東京都中央区)広報部の担当者は「そのまま食べて問題ない」と話します。どうして問題ないのか、黒いブツブツの“正体”は何なのか、詳しく教えていただきました。
白菜に過度のストレスがかかり…
白菜の表面にみられることのある「黒い斑点」。汚れや虫、カビや病気などによるものに見えて、不安に思ったことがある人も多いかもしれません。結論からいいますと、この「黒い斑点」は、そのまま食べて問題ありません。
「黒い斑点」の正体はポリフェノールです。栽培環境や栽培方法の影響によって、ポリフェノールが小さなかたまりとして表面に出てきた状態で、一般的に「ゴマ症」と呼ばれています。ちなみに、ポリフェノールは野菜を含むほぼすべての植物に含まれている成分です。
白菜のゴマ症は、栽培過程における肥料(窒素)の与え過ぎや、過密な生育環境、過酷な気象状況などで起きるといわれています。つまり、白菜に過度のストレスがかかることで引き起こされるため、ゴマ症を完全に防ぐのは難しいと考えられます。
ところで、ゴマ症による「黒い斑点」の影響で、風味や栄養に違いが出るのかどうか、気にする人もいるかもしれません。
まずは風味についてです。白菜を購入した「後」、新たに斑点が出てくることがあります。この場合は鮮度の劣化や管理状態によるものなので、風味は確実に劣ってしまっているといえます。一方、スーパーマーケットなどで鮮度のいい白菜を手に取ったとき、既に斑点がみられることもあります。この場合、風味の良し悪しについての正確な判断は難しいものの、際立って「おいしくない」「エグみがある」というようなことはないと思います。
次に栄養です。栄養の変化については、成分値を検査しないと分かりません。ただし、仮に変化があったとしても、人間の体にとって劇的な差が出るものではないと思われるため、気にせず召し上がっていただきたいです。
なお、「黒い斑点の正体はポリフェノールである」と先述しましたが、実際のポリフェノールには多数の種類が存在し、未解明の成分も多くあります。また、その機能も不明な点が多いのです。健康志向から「ポリフェノールは体にいいから、黒い斑点のある白菜を選ぶのがよい」という見解は少し乱暴ですし、それだけの量を摂取できるものでもありません。よって、ポリフェノールの含有量についても気にしなくてよいと思われます。
「肥料のやり過ぎによる健康被害があるのではないか」という議論もありますが、数日にわたって大量消費を続けることは、恐らくまれだと思います。どうしても気になる場合は、ゆでこぼしてから召し上がってください。
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