実際は? 体を温めるといわれる「根菜」、逆に体を冷やすとの情報も…業界団体に聞く
大根やニンジン、ゴボウなどの「根菜類」は「体を温める」とよくいわれます。一方で、ネットでは「大根やゴボウは体を冷やす」という情報も。実際のところは――。

冬に食べると体に良い食べ物として、大根やニンジン、ゴボウなどの「根菜類」がよく挙げられます。根菜は「体を温める」とよくいわれますが、一方で、ネットで調べてみると「大根やゴボウは体を冷やす」という情報もあります。実際にはどうなのでしょうか。日本野菜ソムリエ協会の広報担当者に聞きました。
肥大した根や地下茎を食用とする野菜
Q.「根菜」の定義を教えてください。
担当者「野菜の分類には、さまざまな切り口がありますが、『どこを食べているのか』で分類すると、『肥大した根や地下茎を主に食用とする野菜』が根菜類ということになります。大根やニンジン、サトイモ、ゴボウ、ショウガなどが該当します。冬に旬を迎えるものが多く、そもそもの原産地が冷涼な気候で、土中でゆっくりと育ちます。夏に旬を迎えるものが多い果菜類(ナス、キュウリ、トマトなど)に比べると、水分量が少ないという特徴があります」
Q.「根菜は体を温める」とよくいわれますが、実際にそうなのですか。
担当者「ニンジン、サトイモ、ショウガなどは、免疫力アップや粘膜の強化などに効果が期待できるビタミンA(βカロテン)やビタミンCを多く含んでいます。また、一度にたくさん食べることができる鍋料理や汁ものなど、温かい料理に適しており、よく使われます。これらの点から、『根菜は体を温めてくれる』といえるでしょう」
Q.大根やゴボウは根菜なのに「体を冷やす」との情報があります。事実でしょうか。
担当者「大根やゴボウは確かに、生で食べると体を冷やすともいわれていますが、この場合は食べ方を一工夫して、しっかりと加熱して温かい料理で食べれば問題ありません。おでんの大根やゴボウ入りの豚汁を食べて、実感として『体が温まった』と感じたことがある人は多いと思います」
Q.体を温めたいときの、根菜の良い料理法を教えてください。
担当者「まずは豚汁です。さまざまな根菜を使うことができるだけでなく、お肉やみそも取ることができ、栄養バランスも抜群です。ショウガのすりおろしを仕上げに加えると、ショウガに含まれるショウガオールという成分の働きで、さらにしっかりと温まるでしょう。
また、大きめのカットで作るポトフもお勧めです。特に、カブは火の通りが早く、丸ごと使えて重宝します。やはり、冬が旬のネギやニラなどの葉物と一緒に、お好みのだしで煮込みましょう。カレー風味で仕上げるとスパイシーで食欲をそそります。
これからの寒い季節。旬の根菜を上手に使って、ポカポカ元気に冬を楽しんでいただきたいです」
(オトナンサー編集部)
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