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「白菜の『黒いブツブツ』は白菜が頑張ったしるし」「おいしく食べて」投稿が話題に、その正体は?

鍋の材料など、冬の食卓に欠かせない野菜の「白菜」。その「黒い斑点」に関する投稿がSNS上で話題になりました。斑点は「ゴマ症」によるもので問題はないとのことですが、実際にはどうなのでしょうか。

白菜の「黒いブツブツ」の正体は?

「白菜の黒いブツブツ」に関する投稿が先日、SNS上で話題になりました。野菜卸会社で働いていたという投稿者は、白菜の表面に出る黒い斑点は「ゴマ症」によるものと紹介。「低温など、出荷されるまでに白菜にストレスがかかると出る」そうですが、見た目からクレームや返品が多いらしく、「白菜が頑張ったしるしなのでおいしく食べてください」と呼びかけました。これに対し「ずっと疑問だったけど、安心しました!」「もっと広まってほしい情報ですね」など、さまざまな声が上がっています。

 購入時や食べる際に気にする人も多いであろう白菜の黒い斑点ですが、その正体は一体何なのでしょうか。オトナンサー編集部では、日本野菜ソムリエ協会広報の上原礼美さんに聞きました。

ポリフェノールの小さなかたまり

Q.白菜の黒い斑点は何なのでしょうか。

上原さん「白菜に見られる黒い斑点は、汚れや虫、カビや病気などによるものではありませんので、食べて問題ありません。この黒い斑点の正体はポリフェノールです。栽培環境や栽培方法の影響によって、ポリフェノールが小さなかたまりとして表面に出てきた状態で、一般的に『ゴマ症』と呼ばれています。ちなみに、ポリフェノールは野菜を含むほぼすべての植物に含まれている成分です」

Q.白菜がゴマ症になるメカニズムを教えてください。

上原さん「ゴマ症は、栽培過程における肥料(窒素)の与え過ぎや過密な生育環境、過酷な気象状況などで起きると言われています。つまり、白菜に過度のストレスがかかることで引き起こされるため、ゴマ症を完全に防ぐのは難しいかもしれません」

Q.黒い斑点によって風味に違いは出るのでしょうか。

上原さん「白菜を購入後、新たに斑点が出てくることもあります。この場合は鮮度の劣化や管理状態によるものであるため、風味は確実に劣ってしまっていると言えます。一方、スーパーマーケットなどで鮮度の良い白菜を手に取った時、既に斑点が見られることもあります。この場合、風味の良し悪しについての正確な判断は難しいものの、際立って『おいしくない』『えぐみがある』というようなことはないと思います」

Q.ゴマ症による栄養の変化はありますか。

上原さん「栄養の変化については成分値を検査しないとわかりません。ただし、仮に変化があったとしても、人間の体にとって劇的な差が出るものではないと思われるため、気にせず召し上がっていただきたいです。なお、先ほど『黒い斑点の正体はポリフェノールである』と述べましたが、実際のポリフェノールには多数の種類が存在し、未解明の成分も多くあります。また、その機能も不明な点が多いのです。健康志向から『ポリフェノールは体に良いから、黒い斑点のある白菜を選ぶのがよい』という見解は少し乱暴ですし、それだけの量を摂取できるものでもありません。よってポリフェノールの含有量についても気にしなくてよいと思われます。『肥料のやり過ぎによる健康被害があるのではないか』という議論もありますが、数日にわたって大量消費を続けることは恐らくまれだと思います。どうしても気になる場合は、ゆでこぼしてから召し上がってください」

食べ頃を過ぎたことを示すサインは?

Q.白菜が食べられなくなった、または食べ頃を過ぎたことを示すサインはありますか。

上原さん「白菜に限らず、野菜の味は鮮度で大きく変わることを大前提に覚えておいてください。食べられなくなったサインとして、溶けてしまったものは問題外。白菜も張りがあって色が良い、新鮮なうちに楽しんでほしいと思います。なお、食べ頃を過ぎたサインとしては、『茎に走る縦の筋が目立つか』『茎の外側の薄い膜が分離して浮いているか』『縦に亀裂が入っているか』などをチェックしましょう。膜の分離と亀裂は同時に起きることが多いようですが、これは水分が抜けることによる劣化です。中の葉は問題なく食べられる場合もあるため、悪くなった葉を取り除いてください。また、白菜はシナシナになるとNGと認識されている方も多いようですが、同じシナシナでも、適当に放置することによるものと、意図的な加工によるものとでは意味合いが異なります。たとえば、私はすき焼きをする時、白菜を半干ししてあえてシナシナとした状態にします。こうすることで、水分の出過ぎを防げる上に味がよく染みるため、割り下も薄まることなくおいしく食べられますよ」

(オトナンサー編集部)