今年こそ「年賀状じまい」をしたい…! “関係終了”にならない伝え方の正解【マナー専門家解説】
「そろそろ年賀状をやめようかな…」と悩む人も多い12月。いざやめると決めても不安が多い「年賀状じまい」について、マナーの専門家が疑問に答えます。
今年も「年賀状」を準備する時期がやってきました。毎年この時期になると、「そろそろ年賀状を出すのをやめようかな…」と悩む人も多いのではないでしょうか。近年は「年賀状じまい」という言葉も広がってきていますが、「年賀状をやめたいけど、相手にどう伝えたらいいのか分からない」「不愉快な気持ちにさせてしまったらどうしよう…」と疑問や不安を持っている人もいると思います。
そこで、長くお付き合いのある相手にも失礼にならない「年賀状じまい」の仕方、伝え方について、ヒロコマナーグループ代表で、収益アップに貢献する企業の人財育成マナーコンサルティングをはじめ、皇室のマナー解説やNHK大河ドラマ「龍馬伝」、NHKドラマ「岸辺露伴は動かない 富豪村」、同シリーズ最新作「密漁海岸」のマナー指導などでも活躍するマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに教えていただきました。
「これっきりで関係が終わる」わけではない
Q.「年賀状じまい」をどうすればいいのか、悩む人は多いようです。実際、「年賀状じまい」のマナーに関する相談はあるのでしょうか。
西出さん「『年賀状じまい』についてのご相談は年々増えています。年賀状をやめることに対して悩むのは、それだけ、今まで年賀状のやりとりをしていた相手を思う気持ちがある証と思われます。
そして、悩んでいらっしゃる方の多くは、年賀状じまいをすることによって『これっきり連絡が途絶えてしまうのではないか』とか、年賀状じまいをすることが『失礼になるのではないか』など、不安に思われているようです。
年賀状を今後送らないことにしても、関係が終わるわけではありませんから、双方共に安心していただきたいですね。先方に誤解されないためにも、年賀状じまいのお知らせをする際に、『今後も手紙やハガキ、電話やメールなどで連絡いたしますので、どうぞよろしくお願いします』と伝えて、住所、電話番号、メールやLINEといった連絡先の情報を書いておきましょう」
Q.「年賀状じまいを、相手に失礼のないように伝える」にはどのようにすればいいでしょうか。その際に、西出さん自身が気を付けていることはありますか。
西出さん「年賀状じまいの伝え方には、2つのパターンがあります。『年賀状そのものに書いて伝える場合』と『年賀状を送る時期の前に伝える場合』です。
年賀状そのものに書く場合は、例えば、次のように伝えます。
【例文】
謹んで新春のご挨拶を申し上げます
旧年中は大変お世話になりありがとうございました
私事で恐縮でございますが
高齢になりましたため 筆をとることが
難しくなってまいりました
つきましては 本年を最後に皆様への年始のご挨拶を
控えようとの考えに至りました
ご理解いただけましたらありがたく存じます
今後はお電話やメールなどで変わらぬお付き合いを
させていただきたく存じます
これまでのご厚情に心より感謝いたしますとともに
皆様のご健康 ご多幸を心より祈念いたしております
令和◯年 元旦
(郵便番号、住所)
(氏名)
(電話番号、FAX番号)
(携帯電話番号)
(メールアドレス)
マナー的なポイントとして、私が配慮している点は次の通りです。決してこの通りにしなければいけないというわけではありませんので、その点、誤解のないようにお願いします。
【西出さんが気を付けていること】
(1)日頃は連絡を取っておらず、年に一度の年賀状だけをやりとりしている相手もいらっしゃいますね。その場合、もしかすると先方が闘病中であったり、介護をなさっていらっしゃったりするかもしれない、また、人のみならず、ペットなどの具合が悪いかもしれない…などへの配慮から、あえて「新春のお慶(喜)び」と書かずに「ご挨拶(あいさつ)」と書くようにしています。
(2)自分のことは「私事で恐縮ですが」と、行末から書くようにしています。一方、先方のお名前は行頭から書くことを心がけています。
(3)年賀状には「句読点はつけない」といわれているので、句読点はつけませんが、読点の代わりに半角を開けて読みやすくします。また、句点の代わりに改行をします。
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