家族で「プリキュア」のイベントに行った体験描く漫画 握手しない息子…母の教えが「泣けた」
「プリキュア」のイベントに行った際の体験を描いた漫画が話題に。キャラクターと握手するチャンスがあるにもかかわらず、「男の子だからやめておく」と遠慮する息子に女性は…。

家族で人気アニメ「プリキュア」のイベントに行った際の体験を描いた漫画がSNS上で話題となっています。会場で、キャラクターと握手するチャンスがあるにもかかわらず、「男の子だからやめておく」と遠慮する息子。息子が「プリキュア」好きだと知っていた女性はある行動に…という内容で、「大切なことが詰まっていて泣けた」「うちの子にも力説したい」「好きなら好き、と言える環境は大事」などの声が上がっています。作者の女性に聞きました。
性別にとらわれず、好きなことを
この漫画を描いたのは、いなふちほ(ペンネーム)さんです。イラストレーターとして活動し、雑誌やパンフレットの挿絵を描いています。現在、2人のお子さんがいます。
Q.いつ頃から漫画を描き始めましたか。
いなふさん「今回のようなエッセイ風の漫画を描き始めたのは2016年夏で、息子が3歳、娘が0歳の頃でした。2人とのつたないやり取りがとても面白く、子育て中の備忘録として描き始めました」
Q.今回の漫画を描いたきっかけは。
いなふさん「プリキュアのショーを見るのが初めてでした。息子や娘のキラキラした目やダンスを一生懸命に踊る姿、会場で出会ったお兄さん方の気遣いに感動したので、記憶にとどめておきたくて描きました。また、漫画を通じて、お兄さん方への感謝を伝えたいという気持ちもありました。
最近、息子が性別や周りの目を気にし始めたので、息子と対話する良いきっかけにもなりました」
Q.「性別や年齢にとらわれない」という考え方は、以前からお持ちでしたか。
いなふさん「昔からそうでした。母は『ドラゴンボール』が大好きですし、父は一人で、少女漫画原作の映画によく出かけます。私も性別や年齢に関して『らしさ』を強制されたことはなく、伸び伸び育ててもらいました。
家では着せ替え人形で遊んでいましたが、友達と集まり、徹夜でガンダムを見て討論会をしたり、仮面ライダーのTシャツで通学したりしていました。また、授業終わりに野球を観戦し、その帰りに、かわいいマカロンをお土産に買うといった人生を送っていたので、口が裂けても『○○らしくしなさい!』なんて言えません」
Q.プリキュアのイベントには、男の子や大人の男性もかなり来ていましたか。
いなふさん「大人の男性は何人もお見かけしましたが、小さい男の子は少なかったです。小さい男の子は姉妹の付き添いが多かったように思います」
Q.お兄さん方がスペースを譲ってくれた時はどう思いましたか。
いなふさん「とてもうれしかったです。私たち家族は場所取りに出遅れてしまい、立って観覧する場所にいました。譲ってくださったおかげで小さな2歳の娘もよく見え、楽しむことができました。
大人のファンの方は、行こうと思えば最前列に行くこともできたと思いますが、控えめな方が多く、小さい子に対する配慮に驚きました。感謝の気持ちが伝わったかは分かりませんが、たくさんの方に漫画を読んでもらえてうれしかったです」
Q.漫画についてどのような意見が寄せられていますか。
いなふさん「共感する声を多く頂き、うれしかったです。小さい頃、家族や友達に好きなことを制限するように言われ、我慢した経験を持たれる方が多くいらっしゃいましたが、そういう方々に共感してもらえたのは喜ばしいことでした。
子育て中は迷うことだらけなので、『我が家でも○○』や『うちの子にも○○』といった共感の声には大変励まされました」
Q.創作活動で今後、取り組んでいきたいことは。
いなふさん「子どもと過ごす上で忘れたくない出来事や、少しでも心が動いた出来事を、なるべく漫画やイラストに描き残していけたらと考えています」
(報道チーム)
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