「終活」を告白する芸能人、なぜ増加? 背景に「断捨離」と有名人の死も…
金子哲雄さんと小林麻央さんの死去
このように、言葉としての「終活」は浸透したものの、芸能人がそれを自ら明かすことはそれほどありませんでした。では、タレントが「死に際」について前向きに考え始めた先鞭(せんべん)となった事例は何でしょうか。
近年インパクトを与えたのは、流通ジャーナリストの金子哲雄さんでしょう。緻密なマーケティングに裏打ちされた分かりやすい論評とその優しい語り口で「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)などで活躍。ラジオや雑誌などにも活躍の場を広げていましたが、2012年10月、41歳の若さで肺カルチノイドでこの世を去りました。
金子さんは存命中、葬儀場や葬儀業者を手配、さらには仕出しなどの準備も自ら行っていたといいます。通夜では、生前に自ら用意した手紙が参列者に配られたそうです。生前、死の準備を整えるまでの苦しみや最愛の妻を遺して逝くことへの葛藤も書き上げ、死後発刊された「僕の死に方 エンディングダイアリー500日」(小学館)は発売1カ月で10万部を超えたといいます。
昨年6月、闘病の末に乳がんで亡くなったキャスターの小林麻央さんも、私たちの心に強く刻まれました。これまでは、「報道機関」による伝聞という形でしか伝わらなかった病状を日々、本人がダイレクトに報告。「生きる」ことの苦しさや難しさ、そして素晴らしさを、身を持って問うてくれた気がします。
最近も、津川雅彦さんや「ちびまる子ちゃん」の原作者・さくらももこさん、「サザエさん」で2015年まで磯野フネ役を務めた麻生美代子さんら、多くの有名人が相次いで逝去する中で、どうすればもっと自分らしく生きられるか、そして旅立てるかを考えるようになっています。
これから、ますます高齢化社会になる日本。「終活」が今後、日本人にとっての大切な“宿題”になることは間違いありません。また、芸能人の終活の告白も、死を迎える場所の指定や自分の死を伝える友人リストの作成など、細分化されていくことでしょう。
(芸能ライター 河瀬鷹男)
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