視聴率1ケタに沈む「いだてん」に浮揚策はあるのか
NHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の視聴率が7週連続で1ケタ台となりました。浮揚のきっかけはあるのでしょうか。
3月24日放送のNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」第12話の視聴率が9.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)だったことが分かりました。これで、7週連続の1ケタ台となります。
危機的状況に追い打ちをかけるかのように、物語の重要人物である足袋屋「播磨屋」の店主・黒坂辛作を演じていたピエール瀧容疑者が、コカインを使用したとして麻薬取締法違反容疑で逮捕されました。代役は三宅弘城さんに決まり、登板は4月以降になります。
「面白いんだから視聴率なんかどうでもいい」は正しいのか
ここに、「売れること間違いなし」と言われていたスナック菓子があります。しかし、発売直後から、予想に反して売れ行きは伸び悩み、これまでそのメーカーが出したすべての菓子の中で最低の記録を出してしまいました。
すると、ユーザーが「いや、おいしいんだから、この味のままでいい」「売り上げなんか気にするな」と声を上げ始めました。さらには、菓子を作っている当人たちの中にも、「自分的にはそんなに気にしていない」と言う人が。それでも、下がっていく売り上げ。これは、常識的に考えて正常と言えるのでしょうか。
以上は、現在の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」を取り巻く状況です。民放とNHKは当然異なりますので、NHKは「視聴率至上主義」ではないのかもしれません。しかし、この「いだてん全擁護」論は、視聴率回復の打開策になっていないのです。
「クドカンワールド」の翻訳者が誰もいない
では、結局、どうすればよいのでしょうか。まずは、マニアックと言われる宮藤官九郎さんの脚本を翻訳し、ドラマを周知させるための周到な作戦を練るべきでしょう。
例えば、「あさイチ」の中で「金栗四三」の紹介コーナーを作ったり、彼の人生をダイジェスト的に描いたドキュメンタリードラマを大河の前に放送したり、まずは、主人公の四三という人間の認知度を広めることもできます。
本編でもそうです。四三は、後に箱根駅伝の開催に尽力した人物。そこで例えば、大河の中で、2日間で合計40%の視聴率を誇る、正月の風物詩である駅伝の中継の名シーンをまるっと使用し、インパクトを与えながら視聴者を呼び込むこともできます。
こうした、事前に打てる対策をNHKの方々はもちろん、本来ならばより厳しく、冷静にクドカン作品に意見が言えるはずの外部の演出家・大根仁さんまで絶賛してしまい、誰も大河の枠で放送することのリスクを俯瞰(ふかん)で見ようとしていません。これは非常に危うい状態です。最悪5~6%に下がる危険性もあります。
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