【シーン別】絶対喜ばれるおすすめの手土産
相手に喜ばれる気の利いた手土産とは、どのようなものでしょうか。マナー講師とともに解説します。

日頃のお付き合いの中で、手土産を持って身近な人たちとやり取りする機会があると思います。家族や友人以外にも、ご近所、会社の取引先などに「ちょっとした贈り物」をすることは、より良好でスムーズな人間関係につながります。
相手に喜ばれる、気の利いた手土産について、国内外で活躍中のマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに聞きました。
手土産とは
まず、手土産とお土産の違いについて理解しましょう。手土産は、入手した場所は関係なく、より気持ちを込めて他人に手渡す品物のことを指します。お土産は、旅先や外出先から家などへ持って帰る、その土地の特産品のことです。
個人宅や会社などに訪問する時には、以下のような気持ちを伝えるために手土産を持参します。
・「いつもありがとう」という感謝の気持ち
・「これからもよろしく」というあいさつの気持ち
・「会えてうれしい」という喜びの気持ち
・「申し訳ない」という謝罪の気持ち
相手のことを考えて選んだ手土産を持参することは、すなわち、相手を思う気持ちを形に表すことになります。
手土産の選び方には、注意したいポイントがあります。せっかくの心遣いが台無しにならないように確認しましょう。
【「4」「9」は避ける】
手土産はちょっとした物であっても「贈り物」です。贈り物をする時は、「死」や「苦」を連想させる4個、9個のものはなるべく避けた方がよいでしょう。気のおけない仲間ならば問題ありませんが、会社の大事な取引先であったり、謝罪で持参したりした時は特に避けるべきです。
【数量は多めに】
手土産を贈る相手が会社であったり、家族の人数が正確に分からなかったりした場合は、数量が多めの手土産を選びます。持参した手土産の数が足りないと自分も相手も気まずい思いをしてしまいます。余ってしまうのは問題ないので、余裕を持った数量選びをしましょう。
【持って帰りやすい物を選ぶ】
訪問する場合は問題ありませんが、外で会った相手に手土産を渡すこともあると思います。そうした時、相手が持って帰るのに困ってしまうような手土産はNGです。あまりに大きいものや重いもの、かさばるものなどは避けてください。どうしても、その手土産を渡したい場合は後から郵送することをお勧めします。
【季節にあったものを選ぶ】
手土産で贈るものには、お菓子などの食べ物を選ぶことが多いと思いますが、時季に合ったものや、季節を感じられるものを贈るようにしましょう。例えば、夏の暑い時季は涼しさが感じられ、のど越しのよいゼリー、冬は溶ける心配が少ないチョコレートなどが一般的です。その季節だからこそ楽しめるものを選べば、相手への心遣いが一層伝わります。
喜ばれる手土産の例
では、喜ばれる手土産とはどのようなものでしょうか。シーン別にご紹介します。
【取引先:数量多めのクッキー缶など】
あいさつや仕事のお礼、時にはおわびなどで、会社の取引先に手土産を持参して向かう機会があると思います。こうした場合、社員全員、もしくはあいさつに伺う部署の人全員の手に渡る数が入ったものを選びましょう。例えば、個別に包装されているクッキーの詰め合わせなどがお勧めです。
ワンランク上の手土産選びのポイントは、社員の年齢層を考慮することです。もし、年齢層が高い部署などであれば、甘めのお菓子より、おかきやせんべいといった米菓の詰め合わせの方が喜ばれるかもしれません。
しかし、これらは、食べる時の音や臭いなどを不快に感じる人もいるので、一概によいとは言えません。そのため、相手の職場環境を知った上で贈りましょう。逆に、若い社員が多い職場であれば、トレンドに合ったお菓子の詰め合わせを選ぶと、『流行に敏感で気の利いた手土産』という好印象を与えることができるでしょう。
また、出張などで不在の社員にも受け取ってもらえるよう、できるだけ日持ちのするお菓子を選びます。一つ一つ個包装されているものであれば、仕事をしながらでも手を汚さず食べることができます。一方、スプーンが必要なものや、ナイフでカットしなければならないものなどは、食べる前後の手間が増えてしまうため避けたほうが無難です。
【友人やご近所の知人:プレミア感が伝わるものを】
友人やご近所宅へ訪問する時、手土産があれば相手の気分も上がり、共に過ごす時間がより楽しいものになるでしょう。そんな時に持参する手土産は、近所で見繕ったものやどこでも手に入るものではなく、少しプレミア感を出したいところ。
手土産としてお土産を持参するのであれば、旅行先の現地でしか買えないものや、なかなか手に入らない店のものであれば、相手の反応も変わってくるかもしれません。日頃から人気店の情報をチェックしたり、旅先ではご当地ならではのものをリサーチしたりしておきましょう。
家族構成を把握し、家族全員で楽しめるものを贈るようにするのもポイントです。例えば、食べ物の場合、小さな子どもがいる家庭には、刺激の強い辛いものなどを避けたり、高齢の方がいる場合は柔らかく食べやすいものにしたりする、などの配慮はしたいものです。
食べ物以外では、友人一人に旅先で買ったマグカップなどを贈るよりも、皆が使える箸置きにするなど、“家族に対してのお土産・手土産”を意識した品物選びをすると、気の利いた人だと思われ、より喜ばれるでしょう。
また、以前にその友人から手土産やお土産を受け取ったことがある場合、その値段に近いと思われるものを選ぶようにします。極端に安くても高くても、相手からの印象が悪くなってしまうため、気を付けたいポイントです。
【両親:非日常を贈る】
親の世代になると、自分の好みはしっかりと定まっているため、好みのものを贈ると失敗が少ないでしょう。一方、流行しているお取り寄せの品や、テレビで紹介されている店のものなど、あえて選びそうにないはやりものを贈ってみるのもよいでしょう。普段は流行などを気にしていなくても、手土産やお土産で非日常を体験するのは楽しいものです。
両親に選ぶ場合は、父母のどちらか一方の好みに偏ることのないようにしましょう。たとえ話題のお酒だからといって、母親がお酒を飲めないのに持っていってはその価値も半減してしまいます。
また、長年一緒に過ごしている関係だからこそ、親の好き嫌いも分かっているはず。多くの人に人気だからといって、嫌いなものを選んで贈ることのないように注意しましょう。
【兄弟・姉妹:値段よりもセンスのよさを】
相手の趣味・嗜好(しこう)について把握している兄弟や姉妹であれば、特別値段が高くなくても、相手の趣味に合ったセンスのよいものを贈るのがお勧めです。例えば、ガーデニングが趣味なら人気の多肉植物や季節を先取りする苗を、コーヒーが好きならお気に入りの店の期間限定のコーヒー豆などを選ぶのもよいです。兄弟姉妹だからこそ分かる、相手の心をくすぐる手土産を意識するのがポイントです。
一方、相手が「普段自分では選びそうにないもの」も喜ばれるかもしれません。相手の趣味を踏まえた上で、少し冒険するようなものや兄弟・姉妹だからこそ選べるものを探してみてください。「もしかしたら同じようなものを持っていたかもしれない…」と感じるものは極力避け、改めて確認してから別の機会に贈るようにするとよいでしょう。
相手の好みや状況を把握して贈る
「手土産やお土産は、日頃の感謝や相手を思う気持ちを伝える最高のアイテムです。どんなシーンにおいても、大切なのは相手の好みや状況を把握して贈るということ。心をつかむ品物リストを用意したり、関わりのある人たちの好みをリサーチしたり…日頃の何気ない会話から情報を得て手土産やお土産を用意することで、相手の心に、より響くものとなるでしょう。これらを上手に活用し、大切な人たちとの関係をさらに良好なものにしてくださいね」(西出さん)
(ライフスタイルチーム)
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