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禁煙の効果は「20分後」から「15年後」まで続く!? 医師に聞いて分かった、禁煙がもたらす“よい変化”の数々

禁煙による「よくない変化」はあるの?

 一方、禁煙による「よくない変化」を挙げるとすれば、食事をおいしく感じるようになることで過食傾向になったり、間食が増えたりして、体重が増えるケースがあることでしょうか。

 しかし、喫煙のさまざまなリスクに比べると、体重増加によるリスクは軽度といえます。禁煙後の生活に慣れてきたら、自分で体重をコントロールできる可能性が高いので、体重増加を恐れて禁煙しないのはナンセンスです。

 なお、ニコチンは腸を刺激する働きがあるため、禁煙すると便秘傾向になることがありますが、これも喫煙よりリスクは軽微といってよいでしょう。

 喫煙により起こる病気には、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、腹部大動脈瘤(りゅう)などの血管の病気、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)などの肺自体の病気、その他さまざまながんもあります。具体的には、鼻腔(びくう)・副鼻腔がん、口腔(こうくう)・咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺がん、肝臓がん、膵臓(すいぞう)がん、ぼうこうがん、子宮頸(けい)がんです。さらには、2型糖尿病の発症率を上げることも分かっています。

 禁煙すると、これらの病気にかかる可能性が喫煙者よりも減ることになります。こうした、喫煙者と非喫煙者における病気のリスクの違いを知ることが、禁煙のきっかけの一つになり得るかもしれません。

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

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