オトナンサー|オトナの教養エンタメバラエティー

「柿ドリンク」「ひやしあめ」…超レア商品を集めた自販機に「素敵な品ぞろえ」と反響、なぜ設置?

「おもしろジュース専門」とうたう自動販売機が青森県八戸市に登場し、話題となっています。そのラインナップとは…。

個性的な商品が並ぶ自動販売機(「八戸ポータルミュージアム はっち」提供)
個性的な商品が並ぶ自動販売機(「八戸ポータルミュージアム はっち」提供)

 青森県八戸市にある、「超レア! おもしろジュース専門」と銘打ったジュースの自動販売機がSNS上で話題となっています。「柿ドリンク」「ひやしあめ」「こめ茶」など、一般の自販機では見かけない飲み物が並び、「個性があるにもほどがある」「こめ茶欲しい」「素敵な品ぞろえ」などの声が上がっています。設置した経緯を取材しました。

自動販売機にも個性が必要

 自販機を設置しているのは「まちぐみ」という市民グループです。まちぐみは「八戸市中心街で面白いモノやコトを市民と一緒に作る」ことを目的に、地元のアーティスト・山本耕一郎さんが市から委託を受けて2014年10月に発足させました。2018年7月現在421人が登録。自販機は、まちぐみの活動拠点「まちぐみラボ」(八戸市内丸)前に設置しています。

 自販機には12種類の飲み物が並び、「杏仁(あんにん)露」「ウコン入りミキ」「山形パインサイダー」などのジュースに加え、「ラッキージュース」と表示した、どんな飲み物が出るか分からないジュースもあります。価格表示も「130えん」「220えん」などとすべて手書きで、手作り感満載です。

 山本さんに話を聞きました。

Q.いつ自販機を設置しましたか。

山本さん「2015年7月末、当時は八戸市十八日町にあった『まちぐみラボ』前に設置しました。自販機は中古で購入しました。2017年12月にラボを移した際、自販機も移設しました」

Q.なぜ珍しいジュースを売っているのですか。

山本さん「多くの自販機に、コンビニと同じような飲み物が入っていることに、以前から疑問を感じていました。『自販機にも個性が必要』と思い、まちぐみの皆さんと一緒に地元のスーパーやインターネットで面白いジュースを探すことを思いつきました。面白い自販機が八戸市の中心街に現れれば、市民にも楽しんでもらえるのではと考えました」

Q.ジュースを選ぶ基準は。

山本さん「『面白い』『こんなの初めて見た!』という飲み物を選んでいます。写真付きで情報を提供してくださる人もいます。ネット通販で箱買いし、完売したら再購入という形が基本ですが、珍しいジュースばかりなので、廃版になってしまうことも多いです。その場合は新しいジュースをまた探します。

以前、『白い恋人チョコレートドリンク』や『チロルチョコきなこもち風味ドリンク』などが大人気だったのですが、製造停止で購入できなくなり、泣く泣く外しました。一方、満を持して導入したジュースでも、予想以上に売れ行きが悪かったら入れ替えます」

Q.価格表示などPOPは手作りですか。

山本さん「手作りです。『まちぐみ』にはさまざまな特技を持った人がいます。自販機の塗装も組員さんがペンキで塗りました」

Q.どのジュースが売れていますか。

山本さん「『柿ドリンク』『ひやしあめ』です。『ラッキードリンク』も、何が出てくるか分からないのを面白がり、高校生が盛り上がっている光景をよく目にします。杏仁ジュースなど海外風の飲み物も人気です。値段に関わりなく売れていて、むしろ高い方が売れ方が早い気がします」

Q.反響は。

山本さん「設置後、すぐに口コミで話題になり、八戸の新たな“ホットスポット”になりました。観光や出張で来られた、市外や県外の皆さんにも楽しんでいただいています。立ち止まって見ている通行人も多く、SNSなどで発信してくれる人も多数いらっしゃいます。地元の番組や新聞でも紹介され、『自販機目的で八戸に来ました』と大人買いする人もいます」

 八戸の“新名所”を訪ねてみてはいかがでしょうか。

(報道チーム)

1 2

コメント