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ウナギ&梅干し、豚肉&そば…「食べ合わせ(食い合わせ)がよくない食材」ってホントにあるの? 管理栄養士に聞いてみた

一緒に食べる食材の組み合わせが悪く、体に不調をきたすことを、「食べ合わせ(食い合わせ)が悪い」と表現することがよくあります。管理栄養士に、この食べ合わせ(食い合わせ)について聞きました。

食べ合わせ(食い合わせ)の良くない組み合わせにはどんなものがある?

『ウナギと梅干し』も消化不良を引き起こしやすいと言われています
『ウナギと梅干し』も消化不良を引き起こしやすいと言われています

 一緒に食べる食材の組み合わせが悪く、体に不調をきたすことを、「食べ合わせ(食い合わせ)が悪い」と表現することがよくあります。例えば、よく言われる組み合わせは「ウナギと梅干し」「豚肉とそば」「スイカとナス」などがあり、消化不良や体の冷えを引き起こすとされています。実際のところはどうなのか、管理栄養士の桜井このさんに聞いてみました。

食べ合わせ(食い合わせ)による体への影響は… 発がん性物質が生成される可能性も?

夏野菜同士は冷えを促すと言われています
夏野菜同士は冷えを促すと言われています

ずばり、食べ合わせ(食い合わせ)が悪く、体調を崩すことはあるのでしょうか?

桜井さん「食べ合わせ(食い合わせ)の例として非常によく出される組み合わせに、『ウナギと梅干し』が挙げられ、消化不良を引き起こしやすいと言われています。また、夏野菜同士である、『きゅうりとトマト』、『スイカとナス』などの組み合わせも食べ合わせ(食い合わせ)が悪く、体を冷やすと言われています。

結論から言えば、食べ合わせ(食い合わせ)について、実際に体に支障をきたすほどの影響はないと考えています。例えば、夏野菜同士の『きゅうりとトマト』、『スイカとナス』などの組み合わせは、体を冷やすと言われていますが、食べすぎなければ大きな問題はありません。

一緒に食べることで発がん性物質が生成されてしまと言われる食材で『ほうれん草とベーコン』がありますが、がんの発症リスクの根拠がはっきりとしているわけではなく、一般的にがんを発症する原因はさまざまな要因が考えられるので、通常の食生活では『ほうれん草とベーコン』を摂取しただけでは、がんのリスクが高まる可能性は低いと言えるでしょう。

また、丼いっぱいなどたくさん食べるのでなければ、がん発症のリスクを気にしなくてもいいでしょう。それでも不安に感じるというのであれば、食べ合わせ(食い合わせ)を避けた方がよいかもしれません。

見た目からして明らかに繊維が多い『ごぼう』や、『タコ』のように噛みごたえがあって硬いといった食材同士は、消化しづらく食べ合わせ(食い合わせ)が悪いと言えます。

ただ、前述した通り、食べすぎなければどの食材も、体には大きな影響はないと思いますし、むしろそれで体に影響が出るようであれば、胃腸の不調などを疑った方がよいかもしれません」

食べ合わせ(食い合わせ)に気を付けた方が良いケースも

食べ過ぎなければ、体への影響はほとんどないといういうことですが、食べ合わせ(食い合わせ)で気を付けた方が良いケースはあるのでしょうか。
桜井さん「薬を飲んでいる方や、特定の栄養素を多めに摂取する必要がある方にとって、気をつけたほうが良い食材がいくつかあります。例えば、コーヒーやお茶に含まれるタンニンという成分は、鉄分の吸収を阻害します。そのため、貧血気味の方が鉄分を多く摂取するためにレバーを食べても、お茶を飲みながら食べていては上手に鉄分が吸収されなくなってしまいます。また、ほうれん草や納豆も、高齢者が多く服薬している、血液をサラサラにする薬の効果を弱める作用があるため、一緒に食べることは推奨されません」

 このように、食べ合わせ(食い合わせ)については諸説あるものの、それぞれの食材を極端に食べすぎなければ、心配することはないようです。ただし、特定の栄養素を積極的に摂取している人、日常的に服用している薬がある人は、食材によってそれらの効果が打ち消されていないか、今一度確認しましょう。

(オトナンサー編集部)

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桜井この(さくらい・この)

管理栄養士

管理栄養士歷20年。栄養指導人数5,000人超。総合病院、高齢者施設、産婦人科小児科での勤務の後、栄養士の指導にも従事。現在はフリーの管理栄養士として、個人の栄養・食事相談から企業・飲食店・サロン・スポーツジム等の献立作成まで、幅広い活動を行う。

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