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食品値上がり「感じる」が97%! 2000人調査で出た「食卓の変化&消費者心理」 いつまで続くか、専門家の見解は?

家計の支出総額の増加を抑制

 このアンケート結果を踏まえ、経営コンサルタントの大庭さんに意見を伺いました。

Q.このアンケート結果を見て、専門家として、どのような感想をお持ちになりましたか。

大庭さん「昨今の値上げに関しては連日メディアが取り上げていますが、今回のアンケートに関して、実施期間が2月3日午後5時から同日午後6時55分までの1時間55分という短い時間で、2000人もの有効回答が得られ、回答者は男性が63%、女性が36%、「教えたくない」が1%、年齢は10代が1%、20代が5%、30代が15%、40代が32%、50代が29%、60代以上が17%、「教えたくない」が1%、職業は会社員が40%、「該当なし」が17%、自営業・フリーランスと専業主婦(主夫)がそれぞれ13%、アルバイトが12%、公務員が3%、学生が2%とあまり偏りがなく、国民からの関心が高い“社会的テーマ”なのだと改めて感じました」

Q. アンケート結果に関する傾向と分析について、教えてください。

大庭さん「食料品を中心とした生活必需品に対して値上がりを感じていると回答した人の割合が97.7%となった反面、値上げの波を受けて嗜好品やその他の非生活必需品を買い控えていると回答した人の割合が50%を超えているという結果が出ました。さらに、食卓の変化について、量や品数、高価格な食材の使用頻度の減少などの回答が上がっています。

これらのことから、値上げの波が落ち着くまでの間、生活必需品の買い控えはしないものの買い方を工夫し、嗜好品などの非生活必需品を買い控えることで家計の支出総額の増加を抑えようとする消費者の心理が読み取れるのではないかと考えます」

Q.特徴的な結果が出たと思う質問はありましたか。

大庭さん「『量はそのままで値上げする』ことを許容する人の割合よりも『値段据え置きで量を減らす』ことを許容する人の割合のほうが高いという結果が出ました。

『値段据え置きで量を減らす』というのはステルス値上げとして消費者が嫌う企業対応なのですが、前述した、値上げの波が落ち着くまでの間、生活必需品に関して買い控えはしないものの買い方を工夫するという消費者の考え方との整合性を感じました」

Q. そもそも、なぜ値上がりをしているのでしょうか。簡単に教えてください。

大庭さん「昨今の大規模値上げの原因となっているのが、世界レベルでの原材料費や飼料費、燃料費などの高騰と円安です。

世界レベルでの原材料費や飼料費、燃料費などの高騰の主な原因は、コロナ禍とロシアのウクライナ侵攻です。コロナ禍により原材料となる物や飼料などの生産が落ち込んだことで供給が不安定になり、侵攻の長期化で小麦や原油燃料などの供給が不安定になりました。

円安の原因は、日本と米国の金利差が拡大したこと。米国は記録的なインフレを抑え込むために利上げを続け、日本は景気高揚のために低金利を維持した(企業の投資を促進するため)ことで円売りドル買いの動きが加速しました。円安になるということは、海外からの原材料や飼料、燃料などの輸入コストが増加することにつながります。

卵の価格の高騰に関しては、これらに加えて、鳥インフルエンザのまん延で多数の鶏を殺処分し、卵の供給量が減少したことも影響しています」

2022年で、一番値上がりをして驚いた品目があれば、その理由も含めて教えてください。

大庭さん「突然の値上げに最も驚いたのは、牛丼チェーンの商品です。牛丼は、大手チェーンによる市場の寡占構造があるため、どのチェーンも値上げに慎重で、結果消費者にとってうれしい価格で提供され続けてきましたが、2022年の後半ごろから、どのチェーンも数十円単位の値上げを実施しました。ワンコインでランチを食べられるという感覚でいたのが、ある日突然、ワンコインでは食べられないことを知り、驚きました。

それ以外で驚いたのは、卵の価格です。ついこの間まで、子供のときの記憶にもある1パック100円台の価格で売られていたものが、急速に上昇し、一部地域では300円近い価格で販売する店も出てきており、驚いています」

Q.2023年に高騰しそうな品目を教えてください。

大庭さん「帝国データバンクが2022年末に実施した調査によると、2023年4月までに7000品目以上の値上げが予定されていることが明らかになりました。値上げの対象となっている主な品目は、『食品や調味料』『菓子類やアイスクリーム』『ソフトドリンク類やアルコール類』『ティッシュペーパーやトイレットペーパー』です。

いずれも、小麦価格や原油燃料費、電気代の高騰などが直接的・間接的に影響しているものと考えられます」

Q.値上がりはいつまで続きそうでしょうか。

大庭さん「大規模値上げの主な原因となっている物の内、原材料費や飼料費の高騰は、コロナ禍の収束を受けて一巡するものと考えます。しかし、ウクライナ侵攻は収束が見えず、それによる小麦価格や原油燃料費などの高騰がしばらくの間、続くと思います。

また、原油燃料費高騰の影響で電気代が高騰しており、企業の生産コストを押し上げています。さらに、以前から値上げをする機会をうかがっていた事業者が、今後値上げラッシュに便乗した値上げを行うことも想定されます。

これらのことを勘案した場合、少なくとも2023年前半までは値上げの波が続くと考えています。しかし、値上げの波の長期化は消費の落ち込みによる景気の悪化を招くことにつながるため、政府が何らかの経済対策を施すことで、年内中には値上げの波が落ち着くのではないかと考えています」

※この記事は、オトナンサーとYahoo!ニュースによる共同連携企画です。

(オトナンサー編集部)

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大庭真一郎(おおば・しんいちろう)

中小企業診断士、社会保険労務士

東京都出身。東京理科大学卒業後、企業勤務を経て、1995年4月に大庭経営労務相談所を設立。「支援企業のペースで共に行動を」をモットーに、関西地区を中心に企業に対する経営支援業務を展開。支援実績多数。以下のポリシーを持って、中堅・中小企業に対する支援を行っている。(1)相談企業の実情、特性に配慮した上で、相談企業のペースで改革を進めること(2)相談企業が主体的に実践できる環境をつくりながら、改革を進めること(3)従業員の理解や協力を得られるように改革を進めること(4)相談企業に対して、理論より行動重視という考えに基づき、レスポンスを早めること。大庭経営労務相談所(https://ooba-keieiroumu.jimdo.com/)。

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