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野菜から食べる「ベジファースト」、本当に太りにくい? 実は注意点も? 内科医に聞いた

「太りにくい」などの健康効果があるといわれている、「ベジファースト」と呼ばれる食事の取り方。実際のところはどうなのか、内科医に聞いてみました。

「ベジファースト」、本当に太りにくい?
「ベジファースト」、本当に太りにくい?

 食事で「野菜を最初に食べる」方法、いわゆる「ベジファースト」と呼ばれている食べ方を日常的に実践している人は多いのではないでしょうか。野菜から食べることで「太りにくい」「健康にいい」など、プラスの効果がよく聞かれるベジファーストですが、一方で「本当に太りにくいの?」「どう健康にいいのか分からない」といった実際の効果を疑う声や、「デメリットはないの?」という疑問の声も聞かれます。

 野菜から食べる「ベジファースト」は、本当に太りにくいのでしょうか。その真偽について、内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんに聞きました。

先に食べるのは「葉物野菜」にすること

Q.食事の際、野菜を最初に食べる「ベジファースト」が、「太りにくい」「健康にいい」のは事実といえますか。

市原さん「事実です。『ベジファースト』とは、野菜に含まれる水溶性食物繊維を食前に取ることで、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることを目的として行われている健康法です。

食後、急激に血糖値が上昇すると、血糖値を下げるホルモンである『インスリン』が大量に分泌されます。インスリンは血糖値を下げるだけでなく、血中の糖を脂肪に変える働きがあるので、体に脂肪をため込みやすくなります。

水溶性食物繊維を先に摂取することにより、食後の血糖値の上昇が緩やかになると、肥満を予防できるだけでなく、血管へのダメージ(動脈硬化の進展)も軽減することができます。

さらに、野菜をよくかんで食べることで、満腹中枢が刺激されて食事量が減ったり、野菜自体のボリュームで食事量が自然と減ったりと、ベジファーストにはその他の利点も多く、デメリットも特にないと思われます」

Q.医学的観点から、食事時のベジファーストを推奨できますか。

市原さん「先述のように、体にとっての利点が多いため、日常的にベジファーストを取り入れることをお勧めします。

注意点として、野菜の中でも糖質の多いジャガイモやサツマイモなどのいも類、カボチャ、ニンジン、レンコンなどは、たとえ水溶性食物繊維が多くても血糖値を改善せず、逆に悪化させます。そのため、ベジファーストを行う際に食べる野菜はキャベツ、レタスなどの『葉物野菜』にすることを意識してください。また、サラダのドレッシングのかけ過ぎには注意して、薄味にしましょう」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

eatLIFEクリニック院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。eatLIFEクリニック(https://eatlife-cl.com/)。

コメント

2件のコメント

  1. 大根がダメというのは解せぬ
    糖質もGI値も高くないはずではありませんか?

    • オトナンサー編集部です。
      ご指摘の件につきまして確認し、該当箇所を修正いたしました。
      このたびは貴重なご指摘をいただき、ありがとうございました。