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顔から転ぶ、靴ひもが結べない…子どもが“運動オンチ”に育つ家庭にありがちなNG習慣とは?

子どもの運動能力の成長を阻む、親のNG行為とは?

【「ちゃんとやりなさい」「なんでできないの」としかる】
親が威圧的な態度を取ると、子どもはビクッと緊張し、心身ともに萎縮してしまいます。プロのスポーツ選手ですら、緊張すると身体に力が入り、筋肉が縮んで本来のパフォーマンスができないものです。親は叱咤激励(しったげきれい)のつもりでも、熱が入ると、子どもにはプレッシャーとしか感じられないような言動を取りがちです。「親の役割は、子どもが楽しいと感じるようなエスコートをすること」と心がけましょう。

【過保護で冒険をさせない】
子どもがチャレンジしようとすることをあれもこれも先走って止めてしまうと、子どもは「体で学ぶ機会」を失ってしまいます。「転んで痛かった」という経験も大切な学びです。この経験がないと、「どうしたらけがをしてしまうのか」という危機対策能力が育ちません。明らかに大きなけがをするのがわかっているシチュエーションであれば守るべきですが、基本的には「擦りむくくらいはOK」「なるべく冒険させて、ちょっとくらいは無茶もさせる」という姿勢の方が、子どもが伸び伸び育ち、運動能力も育まれます。

【スマホばかりやらせる】
スマホばかりやっている子どもは周辺視野が非常に狭くなります。周辺視野とは、移動または静止するものを見ると同時に周りの状況も目で捉える能力のことです。周囲と自分の位置関係を把握するのに役立ち、いわゆる「スポーツが得意な人」というのは、この周辺視野が発達しています。また、視神経は脳神経に直結していますから、視野が成長しないと、学習面でも遅れを取る可能性があります。幼い頃から、「スマホがないとグズるから」などの理由で安易に“スマホ漬け”にさせてしまうのは、絶対にやめましょう。

【姿勢が悪い】
姿勢が悪いと「抗重力筋」が育ちません。抗重力筋とは、文字通り「重力」に「抗う」筋肉のことです。この筋力が弱いと、重力に対するバランスを欠き、姿勢が安定しません。胸が丸まって、ろっ骨が内側に閉じ、呼吸が浅くなるためです。そうすると、脳にも酸素が行き渡らなくなり、集中力を欠いた状態になります。スポーツだけでなく、当然勉強にも影響します。最近は、スマホの普及やライフスタイルの変化で、親世代でも姿勢の悪い人が増えています。子どもを頭ごなしに注意するだけでなく、親が率先して改善に取り組むことが大切です。

【早くから特定のスポーツばかりやらせる】
最近は、小さな頃から特定のスポーツの教室に通い、プロ顔負けのトレーニングを積む子が増えています。習い事として、同世代の仲間たちと体を動かす機会を作るのはいいことですが、幼い頃から特定の運動トレーニングばかり取り組み続けると、運動能力のバランスが悪くなる恐れがあります。例えば、小さな頃から体操の練習ばかりやらせると、球技が著しく苦手な人になってしまう……そんな可能性があるわけです。「運動能力を育てる」という観点から考えると、特定の競技に絞るのは中学生になってから十分。12歳までは、体の土台を作る時期です。さまざまな動きを体験(まさに、体を使って経験すること)して、俊敏性、柔軟性、平衡性など、あらゆる機能を伸ばす方が重要だと言えます。

(ライフスタイルチーム)

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谷けいじ(たに・けいじ)

パーソナルトレーナー

1986年生まれ。福岡大学スポーツ科学部卒。株式会社「ライフチアーズ」代表。パーソナルトレーニングジム「レブルス」代表。大学卒業後、イチロー選手や三浦知良選手のトレーナーとして有名なオリンピックトレーナーの元に半年間住み込み、技術を磨く。トレーニング現場で4年間経験を積んだ後、病院のリハビリテーション、介護施設に活動の場を移し、要介護認定を受けている方のリハビリを担当、現在に至る。これまで2歳から105歳まで、Jリーガー、競輪選手、プロゴルファーなどのトップアスリートから1部上場企業のビジネスエリート層、さらには寝たきりの高齢者まで、マンツーマントレーニングを中心に2000人以上のトレーニング指導に従事している。

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