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10月15日は「きのこの日」! 栄養価やカロリーはどのくらい? “お勧め”の種類は? 管理栄養士に聞いてみた

栄養の観点で「お勧め」のキノコは?

Q.これらのキノコ類の栄養を、効率よく摂取しやすい食べ方・調理法はありますか。

岸さん「キノコは水を吸うと風味が落ちたり、水に栄養素が溶け出したりしてしまうため、基本的に水洗いせず、汚れが気になるときはぬれた布巾で拭く程度にしましょう。ビタミンB群やカリウムといった、キノコに特徴的な栄養素は水溶性であるため、スープやみそ汁、鍋料理にして汁まで飲むことで、溶け出した栄養素も効率的に摂取することができます。

炒め物や焼き物にする際は、キノコの豊富な水分や栄養素が溶け出してしまわないよう、強火でさっと調理することがポイントです。また、冷凍保存をすると水分が膨張し、細胞壁が壊れることで栄養素やうまみが出てくるため、おいしく、また吸収しやすくなるメリットがあります」

Q.栄養の観点から、特にお勧めできるキノコの種類はありますか。

岸さん「キノコに含まれる栄養素は、どれも日本人の食事に不足しているものなので、どのキノコも好みに合わせて積極的に摂取するのがよいと思います。それぞれに特徴的な栄養素も含むので、目的に応じて選択しましょう」

Q.これらのキノコ類を食べる際に注意が必要なことは。

岸さん「キノコ類は食物繊維を多く含みますが、割合としては『不溶性食物繊維』が多い傾向にあります。不溶性食物繊維は便のかさを増やし、腸を刺激してぜん動運動を活発にする効果がありますが、過剰摂取してしまうと逆に便が固くなり、便秘を招くことになります。なお、ナメコについては、水溶性食物繊維の割合が他のキノコ類の2〜3倍とバランスよく含まれています。

また、キノコはビタミンB群、ビタミンDを含む一方で、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンCなどをほとんど含みません。『ダイエットや便秘解消によいから』とキノコばかり食べてしまうと栄養不足になります。肉や魚、緑黄色野菜などをバランスよく摂取することが大切です。カロリーの低さは、ダイエット中の人には効果的ですが、逆の立場の人、つまり増量が必要な人やエネルギー不足の人は、食べ過ぎに注意が必要です」

(オトナンサー編集部)

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岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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