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10月15日は「きのこの日」! 栄養価やカロリーはどのくらい? “お勧め”の種類は? 管理栄養士に聞いてみた

10月15日は「きのこの日」。さまざまな種類があるキノコの中で、栄養の観点からお勧めできるものはあるのでしょうか。管理栄養士に聞いてみました。

キノコの栄養価って?
キノコの栄養価って?

 10月15日は「きのこの日」です。キノコと一口に言っても「シイタケ」「マイタケ」「ブナシメジ」など、家庭料理でよく使われるものだけでも多くの種類がありますが、どんな栄養素が含まれているのでしょうか。また、栄養の観点で考えたとき、特に“お勧め”のキノコはあるのでしょうか。管理栄養士の岸百合恵さんに聞きました。

ビタミンDを最も多く含むのは「マイタケ」

Q.スーパーなどで日常的に購入しやすく、家庭で食べられる機会の多いキノコ類について、含まれている栄養素やカロリーを教えてください。

岸さん「キノコの一般的な栄養成分は野菜と似ており、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富です。身近なキノコ類である次の6種類について、特徴的な栄養素をそれぞれ比較してみましょう(日本食品成分表2020七訂より)」

【シイタケ】

シイタケは可食部100グラムあたり20キロカロリーです。含まれる栄養素は、食物繊維が4.9グラム、ビタミンDが0.3マイクログラム、ビタミンB1が0.13ミリグラム、ビタミンB2が0.21ミリグラム、カリウムが290ミリグラムです。

シイタケには、紫外線を浴びるとビタミンDに変わる「エルゴステロール」という成分が含まれています。これは生のシイタケより、干しシイタケに多く含まれます。最近は流通が少ないですが、機械干しよりも天日干しの方が、ビタミンが豊富です。なお、生のシイタケもひだを上にして1〜2時間程度天日干しにすると、ビタミンDの増加が期待できます。

ビタミンDは主に魚類、卵、キノコ類に含まれていますが、その供給源は限られており、現在の日本人に不足しがちな栄養素といえます。また、骨の形成にとって非常に重要な栄養素でもあるため、積極的に活用したい食材です。

【マイタケ】

マイタケは可食部100グラムあたり15キロカロリーです。含まれる栄養素は、食物繊維が3.5ミリグラム、ビタミンDが4.9マイクログラム、ビタミンB1が0.09ミリグラム、ビタミンB2が0.19ミリグラム、カリウムが230ミリグラムです。

今回紹介する6種類の中で、ビタミンDを最も多く含むのがマイタケです。また、「β-グルカン」の含有量もキノコの中でトップクラスであり、免疫力のアップが期待できます。

【ブナシメジ】

ブナシメジは可食部100グラムあたり17キロカロリーです。含まれる栄養素は、食物繊維が3.0ミリグラム、ビタミンDが0.5マイクログラム、ビタミンB1が0.15ミリグラム、ビタミンB2が0.17ミリグラム、カリウムが370ミリグラムです。

ブナシメジには、肝臓の働きを助ける「オルニチン」が多く含まれているので、お酒の席や二日酔いの日に食べるのもお勧めです。また、オルニチンには肌のターンオーバーを促進する効果もあるので、肌トラブルの予防にもよいでしょう。

【エリンギ】

エリンギは可食部100グラムあたり19キロカロリーです。含まれる栄養素は、食物繊維が3.4ミリグラム、ビタミンDが1.2マイクログラム、ビタミンB1が0.11ミリグラム、ビタミンB2が0.22ミリグラム、カリウムが230ミリグラムです。

キノコに特徴的な栄養素をバランスよく含んでいます。他のキノコと比較して、糖の一種である「トレハロース」が多いため甘みがあることや、加熱しても縮みにくく、弾力があることが特徴です。

【エノキ】

エノキは可食部100グラムあたり22キロカロリーです。含まれる栄養素は、食物繊維が3.9ミリグラム、ビタミンDが0.9マイクログラム、ビタミンB1が0.24ミリグラム、ビタミンB2が0.17ミリグラム、カリウムが340ミリグラムです。

発芽玄米などに多く含まれることで知られる成分「GABA」を含むため、神経の高ぶりの抑制やストレスの緩和、安眠効果が期待できます。

【ナメコ】

ナメコは可食部100グラムあたり15キロカロリーです。含まれる栄養素は、食物繊維が3.4ミリグラム、ビタミンDが0マイクログラム、ビタミンB1が0.07ミリグラム、ビタミンB2が0.12ミリグラム、カリウムが240ミリグラムです。

ナメコといえば独特なぬめりが特徴ですが、これは水溶性食物繊維の「ペクチン」によるものです。血糖値の上昇やコレステロールの吸収を防ぎ、胃を保護してくれる効果もあります。

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岸百合恵(きし・ゆりえ)

プロボクサー、管理栄養士、日本糖尿病療養指導士

病院食の管理・調理業務や企業での特定保健指導を経て、生活習慣病診療を専門とするクリニックにおいて5年間、栄養指導を実施。アスリートとしても夢を追い掛け、2017年に日本ボクシングコミッション(JBC)のプロテストに挑戦し、一発合格。「闘う管理栄養士」として、チャンピオンを目指して日々トレーニングに励みながら、ボディーメークや健康管理の指導を行う。現在は、スポーツ・睡眠歯科分野の診療を行う歯科医院で、アスリートへの食事指導や、一般患者へのダイエット、フレイル・サルコペニア予防の指導を行う他、内科クリニックで生活習慣病患者に対する食事指導を行っている。

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