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「子どもが成人したら離婚」信じて10年…39歳女性の悲惨な結末にみる「こじれ不倫」と「円満不倫」の分かれ道

「子どもが成人したら離婚する」と言っていたのに

 由紀乃さん(39歳、仮名)は清楚(せいそ)な雰囲気で、周りに気を配るタイプの女性です。彼女は職場の上司の亮さん(45歳、同)と10年間、不倫を続けてきました。全ては彼の「子どもが成人したら離婚する」という言葉を信じていたからです。

 出会った当時、5歳だった亮さんの子どものことを思い、「小さいときにパパがいなくなったら寂しいだろう」という思いから亮さんの言葉を信じ、自分の子どもを持つことを諦めました。由紀乃さんはそのくらいいちずに亮さんのことを愛し、信じていました。一方の亮さんは、妻とは子どもが生まれてからセックスレスで一度も関係を持ったことがない、愛しているのは由紀乃さんだけだと言い続けていました。

 ところが、です。由紀乃さんは亮さんから突如、別れてほしいと告げられます。亮さんは、由紀乃さんとは別の女性と不倫をスタートし、彼女が妊娠したので妻と離婚して彼女と結婚するというのです。由紀乃さんは亮さんの家庭のことを思い、自らピルを飲んで妊娠しないようにしていたのにもかかわらず、です。

 ダブルでショックを受けた由紀乃さんは、怒りがこみ上げました。亮さんの妻に自分との関係を告白し、彼が不倫相手と子どもをつくり、離婚しようとしていることを暴露しました。

 すると奥さんは、亮さんの浮気性は知っていて割り切っていたので、夫への愛情は全くなく、離婚の準備を進めていると言ったそうです。由紀乃さんの告白のおかげで、有利に離婚が進められると感謝までした、と。

 あぜんとする由紀乃さん。不倫相手だった自分は慰謝料が取れるわけもありません。しかし、まだ30代。今のうちに婚活して、浮気しない男を見つけると前向きです。

「10年間、何だったんだろうとたくさん泣きました。でも、まだ婚活パーティーでも気にしてもらえる年齢で別れることができてよかったって思うようにしています。過去は変えられないし、だまされた自分が悪かったし。奥さんに告げたとき、2人で悪口を言えてスッキリしました」

「子どもが成人したら離婚する」は、私の運営する夫婦仲相談所でも本当によく聞く言葉です。そのせりふにだまされてしまう女性がどれだけいることか。由紀乃さんは、妻に恨まれなくてよかった事例です。慰謝料を請求する妻であれば、踏んだり蹴ったりの泥沼不倫劇になってしまいます。

 不倫の始まりは“トキメキ”が100%です。「不倫と正義」(新潮社)の中で、脳科学者の中野信子さんが「ときめく気持ちは減っていく。ときめきをもたらす脳内物質は脳にとっては毒なので、長時間持つと悪い影響があるため、タイマーで切れるようになっている」と発言されています。つまり、不倫関係も長く続けば“トキメキ”は減っていくのです。不倫相手が別の女性と付き合い始めたのは“あるある”なこと。もともと浮気しやすい性格の人と不倫すれば、“こじれ不倫”になってしかるべきでしょう。

 不倫はお互いの“トキメキ”と合意のもとに始まります。“円満不倫”になるか、“こじれ不倫”になるかは当事者の心掛け次第です。

 とはいえ、そもそも不倫に、いいも悪いもありません。恋に落ちたと感じた瞬間、自分が、そして相手が結婚しているかどうかをちゃんと思い出してください。いずれにせよ不倫は誰かを傷つけ、不幸にするのですから。

(「恋人・夫婦仲相談所」所長 三松真由美)

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三松真由美(みまつ・まゆみ)

恋人・夫婦仲相談所 所長(すずね所長)・執筆家

夫婦仲・恋仲に悩む女性会員1万3000名を集め、「結婚・再婚」を真剣に考えるコミュニティーを展開。セックスレス・ED・女性の性機能に詳しく、性を通して男女関係をよくするメソッドを考案。20代若者サークルも運営し、未婚世代への結婚アドバイスも好評を呼ぶ。恋愛・夫婦仲コメンテーターとしても活躍中。また、フェムテックの分野で女性を支援する企業「Glad」を創業し、新しいサービスを手掛けている。著書は「夫婦の『幸せ循環』を呼ぶ秘訣」(講談社)「モンスターワイフ」(同)「40歳からの女性ホルモンを操る53の習慣」(扶桑社)「堂々再婚」(wave出版)など多数。コミック「『君とはもうできない』と言われまして」(KADOKAWA)の監修も手掛ける。恋人・夫婦仲相談所(http://fufunaka.com/)、公式note(https://note.com/suzune_16)、Glad(https://www.glad.tech)。LINE登録で「夫婦仲チェックシート」を無料プレゼント(https://fufunaka.com/archives/lp/line)。

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