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ハンカチ&緑茶はお祝いの“お返し”として不適切? TV情報に「おかしい」の声、専門家は?

お祝いの「お返し」としてハンカチと緑茶はふさわしくないとの投稿が話題に。理由は、ハンカチは別れを連想させ、緑茶は葬式の手土産だからだそうですが、マナーの専門家の見解とはどのようなものでしょうか。

お祝いのお返しとして緑茶は不適切?

 お祝いの「お返し」としてふさわしくないものについて、SNS上で話題になっています。きっかけは、先日放送されたテレビ番組で「『お返しに贈ってはダメなもの』として、ハンカチと緑茶が紹介されていた」との投稿。「ハンカチは『手巾(てぎれ)』と書き、別れを連想させる」「緑茶は葬式の手土産に使われることが多い」からだそうです。これに対し、お茶の販売元が「お祝いや、お祝いのお返しに緑茶が使われてきた理由を理解してほしい」とツイートしたほか、SNS上には「お返しに緑茶はダメっておかしくない?」「お返しにお茶もらったらうれしい」などの声が上がっています。

 これについて、マナーの専門家の見解とはどのようなものでしょうか。「マナーは互いをプラスにするもの」をモットーに、国内外の企業や大学などで人財育成教育やマナーコンサルティングを行うほか、NHK大河ドラマなどのドラマや映画で俳優や女優へのマナー指導を行い、日常生活における円滑な人間関係の構築などに関するマナー本が国内外で80冊以上(累計100万部超)のマナーコンサルタント・西出ひろ子さんに聞きました。

相手の立場や気持ちを考えるのが基本

Q.「お祝いのお返しに緑茶はNG」は事実でしょうか。

西出さん「マナーの基本は相手の立場に立ち、相手の気持ちを考えることです。この基本にのっとり、相手が贈られてうれしいと感じるのであれば緑茶やハンカチを贈っても構いません。ただし、緑茶が弔事の返礼品として使われることは事実です。人の受け取り方はさまざま。今回問題になった番組では、『慶事のお返しの品として』という前提であったようですから『そうしたイメージを持つ人もいるかもしれない』ということを、マナーとして考えることは必要でしょう。お茶には、慶事に合うお茶もあります。たとえば、金粉入りの緑茶や大福茶は『縁起が良い』とされるお茶です。また、お茶には『茶柱がたつと良いことがある』とのいわれもありますね。また、緑茶ではありませんが、桜茶などは、慶事を代表するお茶として知られているはずです。こうした理由から、お祝いのお返しとしてお茶を贈られた相手が喜んでくれるのであれば、贈ってもよいと言えるでしょう」

Q.次に「お祝いのお返しにハンカチはNG」は事実でしょうか。

西出さん「ハンカチは漢字で『手巾』と書くので、『縁が切れる』という印象を抱かせるほか、かつては『別れ』を意味するとされており、プレゼントとしては控えた方がよいと考えられていたのも事実です。ハンカチもお茶と同様に、贈る相手がこのようないわれを気にするかもしれない、ということを考えることがマナーとして大切であると思います。ただし、お祝いのお返しとしても弔事のお返しとしても、ハンカチを贈ること自体に問題はありません。相手が喜んでくれるものを贈ることがマナーの基本です。慶事のお返しには明るい色のもの、弔事のお返しには真っ白やグレー、黒のものを贈るとよいでしょう。先日、身内に不幸があって急いで通夜へ向かう時に、以前、同僚からお返しの品として頂いた白と黒のハンカチが重宝しました。後に、そのことを伝えて御礼を言ったほどです。その同僚とは一層良好な関係が続いています。品物から連想される意味合いは時代や贈られる側の考え方とともに変わるので、贈る相手によって配慮するのがよいでしょう」

Q.お祝いのお返しに限らず、贈り物としてふさわしくない品物はありますか。

西出さん「前述のように、相手が喜ぶのであればふさわしくない品はない、と言えます。ただし、その品物からマイナスがイメージされるものは、控えたほうが無難だと言われていることもあります。たとえば、目上の方に贈る品物としては『もっと勉強しろ』という意味合いを連想させる文房具品や、『時間を気にして動け』という意味に受け取る人もいるかもしれない腕時計がこれにあたります。また、新築祝いは『火』を連想させるものや赤い色のものを避けた方がよいともされています。現代においては、こうした意味合いの解釈に違和感を感じる人も少なくないと思われますが、世代によってはこのように受け取る方がいらっしゃるのも事実です。贈る相手に合わせて適切な配慮ができるように、こうした意味合いを持つ品物があることを知っておくのは悪いことではないでしょう。お互いの関係をプラスにしていくための贈り物です。相手が喜び、相手への配慮を表す品選びをすることが大事だと言えるでしょう」

(オトナンサー編集部)

西出ひろ子(にしで・ひろこ)

マナーコンサルタント・美道家・ヒロコマナーグループ代表

大妻女子大学卒業後、国会議員などの秘書職を経てマナー講師として独立。31歳でマナーの本場英国へ単身渡英。同国でビジネスパートナーと起業し、お互いをプラスに導くヒロコ流マナー論を確立させる。帰国後、名だたる企業300社以上にマナー研修やおもてなし、営業接客マナー研修、マナーコンサルティングなどを行い、ほかに類を見ない唯一無二の指導と称賛される。その実績は、テレビや新聞、雑誌などで「マナー界のカリスマ」として多数紹介。「マナーの賢人」として「ソロモン流」(テレビ東京)などのドキュメンタリー番組でも報道された。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」「龍馬伝」、映画「るろうに剣心 伝説の最期編」など、ドラマや映画、書籍でマナー指導・監修者としても活躍中。著書に、28万部突破の「お仕事のマナーとコツ」(学研プラス)「マンガでわかる! 社会人1年生のビジネスマナー」(ダイヤモンド社)「マナーコンサルタントがこっそり教える 実は恥ずかしい思い込みマナー」(PHP研究所)「運のいい人のマナー」(清流出版)など国内外で70冊以上。最新刊「10歳までに身につけたい 一生困らない子どものマナー」(青春出版社)が2018年5月19日に発売。ヒロコマナーグループ(http://www.hirokomanner-group.com)、プレミアムマナーサロン(http://www.erh27.com)。