「読書をすると思考力が向上する」のは本当? 読書のポイントは
読んだ内容を、記憶に定着させる習慣
エビングハウスの研究結果からは何が分かるのでしょうか。ポイントは5つあります。
(1)何かを学ぶとき、それが意味のあるものなら暗記は容易であること
(2)逆に意味のないものであれば、すぐ忘れること
(3)時間をかけることで、蓄積される情報量も増えてくること
(4)さらに復習を重ねるごとに、忘れにくくなり定着すること
(5)一気に覚えるのではなく、細かく分けることで効果がアップすること
ここで、ほかの研究結果を紹介します。
カナダのウォータールー大学の研究結果では、何も知らないところから学習し知識を得た場合、記憶は100%のところに上がります。このまま学習をしないと「エビングハウスの忘却曲線」の通り、時間の経過とともに記憶は失われていきます。しかし、24時間以内に10分間の復習をすると、記憶率は100%に戻ります。
さらに、1週間以内に5分の復習で記憶がよみがえり、1カ月以内に復習すれば、2〜4分で記憶がよみがえります。
適切なタイミングで学習を行えば、10数分の復習で学んだことが定着するのです。学生であれば、その日の復習、1週間以内の復習、1カ月以内の復習がいかに大切かが分かります。これをしないと悲惨な結末が待っています。同じようにまた最初から学習しなければいけないからです。1カ月後には80%近くの情報を忘れるわけですから。
この法則を踏まえれば、効果的な読書方法が分かります。今日は1ページを読んで、明日は1ページを読み直して2ページまで読みます。明後日は、2ページを読み直して、3ページを読みます。7日目からは、6ページと7ページを読み、1ページも反復復習します。この読み方なら全部を読み終わったときに記憶に定着するはずです。
ところが、実際、これだと読書を楽しめないですよね。エビングハウスは人の忘れ方を数値化して表してくれました。ウォータールー大学の研究では、記憶を簡単に定着できることも学びました。気になったら、戻って読む、1週間経過したら戻って読む。このような反復効果を覚えておくだけでも、読書をするときの学びは違うと思います。ご自身の生活スタイルにうまく取り入れて、成果を上げていきましょう。
限られた時間で最良の結果を出す方法
「あなたは月に何冊の本を読んでいますか」「最近読んだオススメ本を教えてください」。そう質問されたら、すぐに答えられますか。
おそらく多くの人が「えー」と言ったきり、次の言葉が出てこないはずです。そのような読書をしても、身に付くことはありません。身に付くことがありませんから、自己成長につながりません。これまでお伝えしてきたように、本を読んでも、アウトプットできないと意味がないのです。
そこで、アウトプットをする秘訣(ひけつ)をお伝えします。読んだ本をアウトプットする方法はいくつかあります。本への書き込み、人に話すなどがありますが、さらにステップアップしたいようでしたら、本で読んだ内容をまとまった文字数の記事にまとめ、自分の考えや主張を発信してみてください。
最初に、サマリーを3行(100 文字)でまとめてみましょう。自分が読者だと想定して、どのような書き方であれば、心をつかみ、刺激することができるのか考えてみましょう。3行でまとめるといっても、過剰な書き方になったり、内容が伴わなかったりする文章では意味がありません。 何を主張したいのかを3行で明確にしなければいけません。
さまざまな商品やサービスがあふれている時代、相手に「なるほど!」と思わせるメリットを感じてもらうポイントがないと相手に響きません。誰に向けて、何を、なんの目的で、どう伝えるか。きっちり整理してみると、アウトプットの精度が高まるはずです。
(コラムニスト、著述家 尾藤克之)

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