業務中のお菓子はあり? なし? 2000人調査、「食べながら仕事」4割超、専門家の見解は?
職場の容認あれば問題なし
アンケートの結果に対する見解と、業務中のお菓子と就業規則との関係、業務中にお菓子を食べることの是非などについて、社会保険労務士の木村政美さんに聞きました。
Q.アンケートでは、約8割の人が「業務時間中(お昼休憩を除く)にお菓子を食べる」と回答し、「短時間休憩」のときよりも「仕事をしながら」お菓子を食べる人が多い結果となりました。このアンケート結果について、どう思われますか。
木村さん「周囲の社員が、お菓子を食べながら仕事をする様子を見て、『けじめがない』『みっともない』などと不快に感じる人も、中にはいると思います。とはいえ、内勤者にとって、仕事中にお菓子を食べることは、かなり定着していることを改めて認識させられました」
Q.業務時間中の間食について、就業規則に明記していない企業は多いのでしょうか。
木村さん「就業規則には、労働者の労働条件(労働時間や給料など)や、労働者が企業の社員として働く上で守らなければならない規律やルールが明記されています。ただ、業務時間中の間食が可能か否かは、業務に直接影響するような規律やルールではありません。そのため、多くの企業では実際に職場の上司がそのときの状況で判断しているか、そもそも決まりがない場合が多いことから、就業規則には明記されていないのでしょう。
しかし、接客業などでは、就業規則の中で服務規定(従業員が守らなければならない最低限のルール)を定め、業務の都合や職場の秩序を保つ理由で、休憩時間以外の業務時間中の飲食(もしくは間食のみ)を禁止している場合もあります」
Q.業務時間中の短時間休憩でもお菓子を食べることは、本来は就業規則違反に相当するのでしょうか。
木村さん「業務時間には、実際に働いている時間(労働時間)と、休憩時間(昼休みなど)を含みます。休憩時間は労働時間ではないので、例えば、昼寝やスマホ操作など、原則、従業員が自由に過ごしても大丈夫です。短時間休憩(昼休み以外の短い休憩時間)でも同じです。
休憩時間中にお菓子を食べることも自由で、就業規則違反にはなりません。ただし、自分の業務場所での食事を禁止されている場合は、そもそもお菓子を持ち込めないので休憩室などで食べるようにしましょう」
Q.仕事をしながらお菓子を食べることはありでしょうか。なしでしょうか。
木村さん「仕事をしながらお菓子を食べることで、仕事の効率が下がるならば、その行為を控えなければいけません。しかし、エネルギー補給やリフレッシュのためにお菓子を食べ、かえって仕事の能率が上がる人もいます。職場の容認があれば、仕事中にお菓子を食べても問題はないでしょう。
ただし、お菓子を含め職場で飲食をするときには、▽デスク周りや床に食べこぼしがあると不衛生▽食べかすが落ちたり、飲み残しの飲料を誤って倒したりして、パソコンなどの備品や書類が汚れる恐れがある▽職場が気密性の高い部屋の場合、食べ物や飲み物の臭いがこもりやすい▽静かな部屋の場合、食べる音が周囲の仕事への集中を妨げる─ことに注意し、必要であれば対処方法を考えましょう」
Q.業務時間中に間食をしたことで、会社側や上司からペナルティーを受け、社員が不利益を被る可能性はありますか。
木村さん「就業規則で業務時間中の間食を禁止している場合、間食は就業規則違反になります。しかし、いきなり懲戒処分はされず、最初は上司からの注意で、複数回注意をしても態度が改善されなければ、その理由を聞いた上で『けん責』などの懲戒処分を受ける可能性があります。
その場合、企業によっては、人事評価や給料、賞与がダウンする可能性があります。就業規則に間食を禁止する定めがなくても、上司の裁量で業務時間中の間食を禁止し、指示に従わないと業務命令違反になることがあります。業務命令違反も、就業規則違反と同じで懲戒処分の対象になります」
Q.業務時間中の間食については、就業規則でしっかりと明記した方がよいのでしょうか。
木村さん「業務時間中にお菓子を食べるなどの間食を認める、認めないは企業の任意で決められます。要するにどちらでも良いということで、原則業務時間中の間食を認める場合は就業規則に明記する必要はないでしょう。
例えば、間食の時間が長すぎる、1日中ガムをかんでいるなど、常識を逸脱した間食をする社員には、職務専念義務(労働時間中は仕事に専念し、私的なことを差し控える)の違反や、職場秩序(職場の風紀や秩序を保つこと)を乱すとして注意、指導することが可能です。企業の方針として、間食を禁止する場合には、就業規則の服務規定に『業務時間中の間食禁止』を明記することが必要です」
※この記事はオトナンサーとYahoo!ニュースによる共同企画で、Yahoo!ニュースが実施したアンケートの結果を活用しています。アンケートは2月7日、全国のYahoo! JAPANユーザーを対象に行い、2000人から有効回答を得ました。年代は60代以上が11%、50代27%、40代33%、30代20%、20代7%で、男女比はほぼ3対2。職業は会社員56%が最多で、アルバイト14%、自営業・フリーランス14%などでした。
(オトナンサー編集部)





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