白と赤の刺し身の違い、貝は魚か、卵から生まれる生き物について答えられますか?
「科学」とは何か。「科学のふしぎ366」(きずな出版)から、内容の一部を紹介します。

皆さまは「科学」を分かりやすく説明できますか。「科学」を「デジタル大辞泉」(小学館)で引くと次のように書かれています。「一定の目的・方法のもとに種々の事象を研究する認識活動。また、その成果としての体系的知識」。この説明だと非常に分かりにくいですね。
では、次のように説明したらどうでしょうか。「科学」は「science」と訳すことができます。これはラテン語の「scientia」からきた言葉です。「scientia」には「知識」という意味があります。「科学」とはひと言で説明すると「知識」という意味になるのです。今回は「科学のふしぎ366」(きずな出版)から、内容の一部を紹介します。「科学」を簡単に伝えるにはどうしたらいいのでしょうか。
白い刺し身と赤い刺し身の違いは
お刺し身で食べるのはほとんど、魚の筋肉です。筋肉の中の色素の違いが色の変化を生み出します。また、常に動き回っている魚の筋肉は赤い特徴を持ち合わせています。
マグロやカツオなどの刺し身は赤っぽいと思います。それは筋肉の中の「ミオグロビン」という色素の量が多いからです。ミオグロビンというのは、筋肉を動かすのに必要な酸素をためておけるタンパク質。常に動く回遊魚はこのタンパク質を持っています。
一方で、動き続けない魚は白い筋肉をしています。タイやヒラメなどの刺し身は白っぽいと思います。これらの魚はいつも激しく動き回っているわけではありません。瞬発的に力を出す必要はありますが、たくさんの酸素を必要とするわけでないので、ミオグロビンが少ないのです。
では、サーモンのオレンジ色は何からきているのでしょうか。これはエサの色と考えられています。サケはオレンジ色のきれいな刺し身になります。赤身魚のように見えますが、あの色はミオグロビンの色ではありません。オキアミというエビの仲間を主食にしているサケの仲間は、エサに含まれる「アスタキサンチン」でオレンジ色を出すのです。
アジやサバは青魚ともいいます。身の色が青色なのではなく、背中の色のことを表しているのです。
貝は魚に含まれるの?
貝は背骨のある魚ではありません。背骨がない無脊椎動物の中の軟体動物です。魚は体の内側に骨格があります。貝は体の外側に骨格があります。
魚は背骨についた筋肉で、尾びれや体を左右に動かしながら水の中を泳いでいます。貝は背骨がない無脊椎動物なので、体の中に骨格がありません。その代わりに、体の外側に貝殻があって、敵から身を守ることができます。
また、貝殻の枚数や形でいろいろ分かれています。体が軟らかい動物の中で、もともと貝殻を持っていたのが軟体動物です。貝の仲間にはアサリやホタテガイなどの二枚貝類、サザエやカタツムリなどの巻き貝類(腹足類)、ヒザラガイなどの多板類などがあります。
また、貝殻にも年輪ができます。貝殻の成分は主に炭酸カルシウムで、体の中で少しずつ作られて、外側のふちに追加されていきます。水温や塩分濃度などの条件によって、その成分や成長速度が異なります。そのため、木の年輪のようにしま模様になるのです。
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