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小学受験に反対の夫、賛成の妻 子どもの教育、夫婦で折り合うには?

親のエゴでないか確認を

 一方、Bさんは腹を決めたつもりでも、心の準備が完全には整っていなかったようで、娘が勉強をしているリビングでテレビをつけようとして妻から責められました。

「テレビをつけようとしたことだけでなく、全体的に僕ののんびりした態度がよくなかったみたいで『小学校受験は家族ぐるみなんだから、しっかりしてもらわないと』と言われ、何度か怒られました。

妻はたまにのめり込み過ぎになることがあり、娘に対してそうなっている妻を見るたびに『小学校受験をOKするんじゃなかったかな…』という気持ちになります。娘は妻の言うことを聞いてよくやっていますが、妻の厳しさが行き過ぎだと感じたときは、妻とけんかする覚悟で仲裁に入ります」

 しかし、受験の準備が始まってから、Bさんの意識は少しずつ変化していきました。

「『受験は高校からでいい』という考えは変わっていませんが、妻に『家族ぐるみで』とたしなめられてからは向き合い方を変えるようにしました。妻だけ一生懸命で、僕がそれにずっと否定的だと、娘が戸惑ってしまうだろうと思ったからです。

それに、小学校受験は娘にとって初めての大きな挑戦なので、無事合格して、成功体験を勝ち取ってほしいと思うようにもなりました。父親として、娘をすごく応援していて、妻と娘の調整役や勉強を見ること、息抜きに娘と思いっきり遊ぶことなど、できる限りのサポートをするように努めています」

 このように、夫婦間で子どもの受験に対する考え方が違っていても、子どもの受験を応援する姿勢を共有できるケースもあるようです。

 近年では“極端に教育熱心な母親”に対する否定的な見方が広まっているので、Aさんのように「そうならないように」と心掛ける母親も増えています。親が子どもに与える教育は“愛情の一環”ですが、それが親のエゴに陥っていないかは常に確認しておきたいところです。

(フリーライター 武藤弘樹)

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武藤弘樹(むとう・こうき)

フリーライター

早稲田大学第一文学部卒。広告代理店社員、トラック運転手、築地市場内の魚介類卸売店勤務などさまざまな職歴を重ね、現在はライターとミュージシャンとして活動。1児の父で、溺愛しすぎている飼い猫とは、ほぼ共依存の関係にあるが本来は犬派。趣味はゲームと人間観察。

geetara610@gmail.com

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