公約を実行し、国民を裏切らないことが「政治のマナー」だ
10月22日に迫った衆院選。その争点は消費税増税や憲法改正で、希望の党や立憲民主党の動向も注目されていますが、ここでは少し視点をずらし、今回の総選挙、そして政治家を「マナー」の観点で捉え返します。

10月22日に投開票される衆院選は消費税増税や憲法改正などを争点に、自民党・公明党と、希望の党・日本維新の会、共産党・立憲民主党・社民党の3極が争う構図となっています。5年弱に及ぶ、安倍晋三首相による政権運営継続の是非が問われる選挙となりそうですが、今回の選挙、そして政治(家)を「マナー」の観点から見ることもできます。
オトナンサー編集部では、政治家や医師へのマナー指導、企業・大学における人財育成やマナーコンサルティングなどを行い、マナー本が国内外で70冊以上・累計100万部以上のマナーコンサルタント、西出ひろ子さんに聞きました。
「マナーの基本5原則が必須」
Q.政治とマナーの関係について。
西出さん「マナーとは相手の立場に立つ思いやりの心。議員は自己(自党)中心ではなく国民の立場に立ち、国民のために尽力するのが仕事(志事)ですから、マナーは必要でしょう」
Q.具体的に求められるマナーとは。
西出さん「政治家は『政治のプロ』として国民を守り、政策を履行することは当然として、マナーの基本5原則である、相手を不快にさせない『表情』『態度』『あいさつ』『身だしなみ』『言葉遣い』を身につけていることが必須です。議員は国民に選ばれる人たち。その議員たちが人々の模範として相手に不快を与えない言動をすることが、未来を担う子どもたちの教育やトラブルのない明るい社会作りに影響を与えることでしょう。議員が模範的マナーを身につけることは、公人としての責任の一つであると考えられます」
Q.今回の選挙を見る際のポイントとは。
西出さん「選挙期間中だけ、頭を低くして有権者にお願いする政治家は信頼できません。上っ面や口先だけの人と評価されます。マナーの観点からは、日頃から謙虚で、先手であいさつをする、また社会全体のプラスとなるような交渉やコミュニケーションを取れる、人間力のある人が理想と言えるでしょう。マナーとは本来、お互いを思いやることであり、そこには美しい関係が生まれます。たとえば、さまざまな政党がありますが、政治家としての最終目標は政党に関係なく一つであるはずです。今回の選挙で、政治家や政党を評価する指針となるのは、演説の内容や話し方、伝え方。政治の世界は、きれい事だけでは済まされない面もありますが、マナーの視点からは、他党のことばかりを批判する演説は美しさが感じられません。むしろ、自分たちが今後、何をどのように実践していくのか、それを愚直に真摯に伝える姿に心打たれます。また、公約を必ず実践・実行したり、国民を裏切らないよう努力したりする姿勢がマナーではないかと思います。議員を仕事とする以上は『ビジネスマナー』としてwin-winを生み、先にお伝えしたマナーの基本を押さえた上で結果を出すことが支持につながるはずです」
(オトナンサー編集部)
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