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なぜ「受け」じゃない? 「お茶請け」の意味と歴史を聞いてみた

初期は「栗」「干し柿」「シイタケ」

 齊木さんによると、お茶請けは、お茶を楽しむためのお菓子であり、日本茶に限らず、紅茶やコーヒーの場合も「お茶請け」という言葉を使用できます。お茶請けは、英語で「tea-cake」、つまり、お茶に合わせたお菓子という意味です。

「紅茶と緑茶は同じ茶樹から作られ、製造工程における発酵度合いの違いから、香りや味の違いが出てくるものです。しかし、ストレートで飲む紅茶には、意外にも和菓子がよく合います。また、茶の湯文化が根付いた金沢では、和菓子をお茶請けにコーヒーを味わうスタイルが有名です。紅茶やコーヒーのお茶請けに和菓子を頂くなんて、粋ではありませんか」

 初期(戦国~安土桃山時代)の茶席においては、麩(ふ)の焼きや栗、干し柿、シイタケをみそで炊いたものなどが、お茶請けとして出されていました。しかし、いずれもぜいたく品ではなく、「練り切り」「こなし」といった、色鮮やかで多様な形のお菓子が使われるようになったのは、安土桃山~江戸時代です。

 最近では、有名ショコラティエのピエール・マルコリーニ氏が「チョコレートに一番合う飲み物は水かお茶」と話して話題になりました。実際に、相性はとても良いそうで「高級チョコレートが新しいお茶請けとして定着する日が来るかもしれません」。

「お茶請けの本質は『お茶の良さを引き出すこと』、そして『おもてなしの心遣い』です。その意味では、お茶とお茶請けの組み合わせに正解はありません。シーンに合わせて、さまざまな組み合わせを楽しみましょう」

(オトナンサー編集部)

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齊木由香(さいき・ゆか)

日本礼法教授、和文化研究家、着付師

旧酒蔵家出身で、幼少期から「新年のあいさつ」などの年間行事で和装を着用し、着物に親しむ。大妻女子大学で着物を生地から製作するなど、日本文化における衣食住について研究。2002年に芸能プロダクションによる約4000人のオーディションを勝ち抜き、テレビドラマやCM、映画などに多数出演。ドラマで和装を着用した経験を生かし“魅せる着物”を提案する。保有資格は「民族衣装文化普及協会認定着物着付師範」「日本礼法教授」「食生活アドバイザー」「秘書検定1級」「英語検定2級」など。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/yukasaiki)。

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