「青菜」や「青リンゴ」が緑なのに「青」である理由
世の中には、「青菜」「青リンゴ」など、「緑」に近い色なのに「青」と呼ばれるものがあります。その理由を取材すると、日本の興味深い歴史に辿り着きました。

「青菜」「青リンゴ」「青のり」など、実際は「青」ではなく「緑」に近いのに、「青」とつく事物は意外と多いもの。しかし、これらはなぜ「青」と呼ばれるのでしょうか。
オトナンサー編集部では、日本パーソナルカラー協会認定パーソナルカラーアドバイザーの西田美穂さんに、この疑問をぶつけてみました。
「青」に見えるからではない
西田さんによると、そもそも「色」とは、光の反射によって見えるもの。人がその物体の色を認識するのは、「可視光線」という、色を感じさせる光が物体に反射して目に入ることによるものです。
この可視光線の波長の範囲によって、色の見え方は変わります。虹の配色からもわかるように、「緑」と「青」は隣り合った色ではあるものの、それぞれの色を感じる波長は異なっており、実際は全く別の色。つまり「緑が青に見えるから『青』と呼ばれているわけではないのです」(西田さん)。
それでは、「緑」のものがなぜ「青」と呼ばれるのでしょうか。
西田さんによると、古代、日本人の色の認識は「赤」「黒」「白」「青」の4色のみで、色を表す言葉もこの4つしかありませんでした。すべての色は、これら4つのいずれかの「色」に分類され、表現されていたのです。
その際に、「緑」は最も近い色である「青」にカテゴライズされていたとのこと。現代において、「緑」を「青」と呼ぶのは、この分類の名残りと考えられています。たとえば、伝統色名の「薄青(うすあお)」は、現代の「黄緑」に近い色です。
「緑」なのに「青」と呼ぶことには、日本の伝統的な色の表現が関係しているのです。
(オトナンサー編集部)
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