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根菜入りだと風味低下? 「カレー」をおいしく長持ちさせる冷凍保存法は?

家庭のカレーに入れる定番の具材「ジャガイモ」「ニンジン」は、冷凍保存の方法を誤ると風味を損ねる原因になるようです。カレーをおいしく、衛生的に冷凍保存するコツを聞きました。

ジャガイモ入りカレーを冷凍保存すると…
ジャガイモ入りカレーを冷凍保存すると…

 家でカレーを作るとき、食べ切れなかった分を冷凍、長期保存する人も多いことでしょう。しかし、家庭のカレーに入れる定番の具材「ジャガイモ」「ニンジン」は、冷凍保存の方法を誤ると風味を損ねる原因になるようです。ネット上では「何も考えずに冷凍していた」「味を落とさない方法が知りたい」など、さまざまな声が上がっています。

 家で作ったカレーをおいしく、衛生的に冷凍保存するコツについて、料理研究家で管理栄養士の関口絢子さんに聞きました。

水分が流れて、スカスカの食感に…

Q.家で作ったカレーを冷凍保存する際、ジャガイモやニンジンが入っていると「風味が落ちる」のは事実でしょうか。

関口さん「事実です。ジャガイモやニンジンは水分が多く、冷凍することで内部の水分が結晶化し、その際に組織が壊れます。冷凍している間に傷むことはありませんが、解凍後は壊れた組織から水分が流れ出るため、スカスカ、バサバサの食感になってしまいます。

また、水分と一緒にうま味の成分も流出するため、味も落ちてしまいます。一方、ジャガイモやニンジンが溶け込んで形状が残っていない場合、組織が既に壊れているため、食感を損なうことはありません」

Q.その他、冷凍保存時に何らかのデメリットが考えられるカレーの食材はありますか。

関口さん「基本的なカレーの具材である肉類(鶏肉、豚肉、牛肉)とタマネギ、ジャガイモ、ニンジンの中では、肉類とタマネギは冷凍しても問題ありません。タマネギは加熱調理によって既に組織が壊れているため、冷凍してもあまり影響がないのです。

ニンジンは先ほど『風味が落ちる』と言いましたが、これは大きめに切ってカレーに入れた場合のことで、小さめにカットしてあればそこまで気にならないでしょう。

カレーにはあまり使わないかもしれませんが、レンコンやゴボウ、タケノコは大きめで使うと食感がパサついたり、逆に水っぽくなったり、筋っぽくなったりしてしまいます。理由としてはジャガイモと同様で、冷凍した際に内部の水分が結晶化して組織を壊し、解凍した際に内部や外に水分が流出するためです」

Q.ジャガイモやニンジンが入ったカレーを冷凍保存したい場合、「おいしく長持ち」させるための適切な方法や注意点とは。

関口さん「ジャガイモはつぶしてルーとなじませておくか、冷凍前に取り出しておきましょう。ニンジンも大きいままだと食感が悪くなるので、細かく切ったり、つぶしてなじませたりしておくのがよいでしょう。

カレーは常温で放置してあったものを冷凍すると、ウェルシュ菌の繁殖が懸念されます。必ず火入れをし、粗熱をとったものを冷凍用保存袋か容器に入れて、できるだけ空気を抜いてから冷凍しましょう。この方法で保存すれば、1カ月程度はおいしく食べられます。

解凍する際は、冷蔵庫か常温で自然解凍、または電子レンジで半解凍したもの(中心は固まっているが、周りが溶けて液状になった状態)を耐熱容器に移して、電子レンジで加熱するか、鍋に移して加熱するとよいでしょう。どちらの方法でも、しっかりむらなく加熱してから食べてください」

Q.冷凍したカレーを解凍したとき、「食べない方がよい」状態の目安はありますか。

関口さん「冷凍の場合は基本的に傷む心配はありませんが、冷凍している間に空気に触れて酸化したり、水蒸気がこもって霜が発生する状態が長くなったりすると、味が落ちてしまいます。また、一度解凍されたカレーは、そのまま放置しておくと味の劣化が進みやすくなります。

作ったときの味や香りが落ちても食べられないわけではありませんが、カレーのような脂肪分が多い料理は酸化しやすい上、健康面でも、酸化した脂肪を摂取するのはおすすめできません。何か違和感がある場合は食べるのをやめた方が得策です」

Q.カレー以外に、冷凍保存時に気を付けた方がよい食材やメニューは。

関口さん「冷凍保存の基本は『密閉』です。冷凍庫内は非常に乾燥しやすい環境です。パンや肉まんなどは乾燥しやすく、冷凍庫内の臭いを吸着しやすいため、しっかり密閉して保存し、早めの消費をおすすめします。家庭で作った揚げ物などは2週間以内に消費しましょう。

先述の通り、脂肪の多い食材は空気に触れると酸化を起こしやすくなります。干物も魚に含まれる脂が酸化しやすいため、密閉保存の上、早めに消費してください。数の子や子持ち昆布は、冷凍するとスポンジ状になってしまうので注意です。

ジャガイモが入った煮物や煮込み料理は、カレーと同じ処理をしてから冷凍保存しましょう。生クリームはそのままだと分離しますが、ホイップしてから冷凍することは可能です。

ピザ用チーズは、固まったまま冷凍すると使いにくいので冷凍保存袋に移し替え、1時間程度冷凍させて全体をほぐしておくとバラバラの状態で凍結できます。豆腐やこんにゃく類は“す”が入って全く違う食感になりますが、それを見越して煮物や炒め物に使う方法もあります。

冷凍おかずで人気の高いハンバーグは焼いてからラップで個包装し、保存袋に入れて冷凍します。生の状態から冷凍・解凍して焼くよりもジューシーでおいしく仕上がる上、電子レンジ調理もできて便利です」

(オトナンサー編集部)

関口絢子(せきぐち・あやこ)

料理研究家・管理栄養士・インナービューティースペシャリスト

米国栄養カウンセラー、ヘルスケアプランナー。企業やウェブサイトなどの各種メディアで、レシピやコラム、企画提案などを行う。斬新なアイデアやニーズを捉えた企画が人気を博し、CM用のフードコーディネートやフードスタイリング、商業施設のフードプロデュースなど多岐にわたり活動。「毎日続けられること」をモットーに簡単・おいしい・おしゃれ、かつ美容と健康に直結したレシピを発信。自らの体調不良を食で克服した経験から執筆した著書「キレイになる!フェロモンレシピ」で「食から始めるアンチエイジング」をテーマに、女性が一生輝き続けるための食事法を紹介。セミナーや女性誌の特集で人気を集めている。オフィシャルブログ(http://ameblo.jp/ayako-sekiguchi/)。

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