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お酒嫌いな人は相変わらず不満? ノンアル系も充実? 昨今の「飲み放題」事情

飲食店で「飲み放題」コースにすると、お酒は充実しているのにノンアルコールドリンクの種類が少ない店が多く、不満を持つ人がいるようです。

飲み放題はアルコールが優先されがち…
飲み放題はアルコールが優先されがち…

 飲食店で「飲み放題」コースにした場合、ビールや焼酎、カクテルなどのお酒は充実しているのにノンアルコールドリンクの種類が少ない店が多く、お酒が苦手な人や飲めない人が不満を持つことがあるようです。SNS上では「お酒を飲めないから飲み放題は嫌だ」「好きでウーロン茶ばっかり飲んでるわけじゃない!」といった声がある一方、「最近はソフトドリンクが充実している店も」「ノンアルコールカクテルの『モクテル』を置いてる店が増えてきた」との情報も。

 昨今の飲み放題事情について、飲食店コンサルタントの成田良爾さんに聞きました。

法改正機に、ノンアルコールの品質向上

Q.飲み放題で、ノンアルコールドリンクの種類が少ない店が多いのはなぜでしょうか。

成田さん「日本でも昭和40年代以降、ホテルを中心にビュッフェ形式のお店が増え始め、フレッシュジュースなどのソフトドリンクも料理とともに提供されました。やがて、居酒屋を中心とした飲食店がこれをヒントに、サラリーマンや大学生をターゲットに『アルコール飲み放題』を企画しました。これが広がり、今では、飲み放題があって当たり前のように多くの飲食店で取り入れられています。

つまり、もともと、飲み放題はアルコールを飲むお客さまをターゲットにしたメニューで、そのルーツから、ノンアルコールドリンクやソフトドリンクの種類が少ないのだと思います」

Q.特に、ノンアルコールビール(ビールテイスト清涼飲料)を見ることが少ない気がします。

成田さん「ノンアルコールビールは小瓶で提供される場合が多く、1本当たりの仕入れ単価も高めです。飲み放題メニューの想定原価は1人当たり4~5杯計算で設定されるので、金額設定が低めの飲み放題の場合、原価が高めのノンアルコールビールを4~5本飲まれたら原価割れしてしまうので、メニューに入れる店も少ないのでしょう」

Q.ノンアルコールドリンクを充実させる店は増えているのでしょうか。増えているとしたら、その理由と、どのようなドリンクが増えているか教えてください。

成田さん「飲み放題を含むドリンクメニュー全般で、ノンアルコールドリンクを充実させるお店は増えています。昔から、ノンアルコールドリンクはあったのですが、クオリティーが低く、あまり飲まれませんでした。しかし、2度にわたる道路交通法改正による飲酒運転の厳罰化をきっかけに、メーカーが競ってノンアルコールドリンクを改良したため、革新的においしくなり、一般的にも広く受け入れられるようになりました。

また昨今、20~30代の若者や女性のアルコール離れが著しく、飲食店業界も若者や女性を対象とした集客のために、ビールテイストのノンアルコールドリンクだけでなく、『モクテル』などにも力を入れ始めています」

Q.「モクテル」とは、どのような飲み物でしょうか。

成田さん「モクテルは『MOCK(まねる)』『COCKTAIL(カクテル)』を組み合わせた『ノンアルコールカクテル』を指す新しい造語です。ノンアルコールカクテル自体は昔からありますが、2~3年前から、ロンドンで『モクテル』の呼び方で流行し始め、日本でも少しずつブームになっています。

ノンアルコールのオールドカクテルは『シャーリーテンプル』『シンデレラ』などが有名ですが、最近では『ストロベリーレモネード』など一段と映えるものが人気です」

Q.飲み放題でノンアルコールドリンクの種類が少ないと、お酒が飲めない人は不公平に感じることもあるようです。酒を飲める人と飲めない人がともに不満を持たずに楽しむ方法を教えてください。

成田さん「最近では、料金が異なる『アルコール飲み放題コース』『ソフトドリンク飲み放題コース』をグループ内で併用できるお店も増えています。もちろん、ノンアルコールドリンクの単品注文だけでOKのお店もあります。以前は、アルコール飲み放題の場合、飲まない人も含め全員が飲み放題を注文しないといけない店がほとんどでしたが、お客さまのニーズに柔軟に対応するお店も増えてきています。

昨今は『昼飲み』『ノンアルコールでのパーティー』が増えているため、ノンアルコールの人専用の飲み放題メニューを作る提案をさせていただいています」

(オトナンサー編集部)

成田良爾(なりた・りょうじ)

飲食店経営コンサルタント

ヴィガーコーポレーション代表取締役。厚生労働省公認レストランサービス技能士(国家資格)、文部科学省後援サービス接遇検定準1級、食生活アドバイザー2級、他。飲食業界25年以上。ミシュランガイド掲載の高級レストランから個人経営の小さな大衆店まで幅広いジャンルの飲食店に携わり、その経験に基づく統計解析および枠にとらわれないアイデアで多くの赤字店を黒字化させてきた実績を持つ。「100年続く店づくり」をモットーに、次世代育成や飲食業の働き方改革などにも力を入れており、食文化普及の他、職業訓練校講師(フードビジネス科)や子育て女性就職支援事業講師なども歴任。現在も多くの飲食店経営者のサポートを手掛ける。飲食店専門のコンサルティング「オフィスヴィガー」HP(http://with-vigor.com/)。

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