水筒の飲料を飲むのに許可が必要? 教育に「暗澹たる気持ち」投稿話題に、各教委に聞く
生徒を指導に集中させる
世田谷区に次いで児童・生徒が多い江戸川区の教育委員会の担当者に聞きました。
Q.区内の小中学校では、水筒の持ち込みを許可しているのでしょうか。また、中身について指定していますか。
担当者「教育委員会では、水筒の持ち込みの可否や中身の指定といった具体的なものではなく、運動会や部活動をはじめとする教育活動全般において、子どもたちの健康管理の徹底をお願いしています。特に、水分補給や休憩の配慮は不可欠であり、教職員一人一人の判断に任せるのではなく、学校として組織的に判断、対応してもらうようにしています。水筒の持ち込みについては各学校の判断ではありますが、多くの学校で許可していると思います」
Q.学校では、水筒の飲料を飲む時間を決めているのでしょうか。
担当者「授業によっては、教師が計画的に水分補給の時間、子どもたちが自由に飲める時間を設置し、柔軟に対応しています。その他、適宜、水分補給ができるようにしています」
Q.自由に飲める時間や教師が指示した時間以外に水分を摂取したい場合、教師に許可を得る必要があるのでしょうか。
担当者「教師に許可を得てから摂取するケースが多いと思います。授業のほか、学校生活に関する安全事項の伝達など、教師が一斉に指示を出す場面では、生徒を指導に集中させる必要があるからです」
Q.喉が渇いて水分が必要だと思ったとき、教師の許可を得ずに自分で判断して飲むと、どういう不都合があるのでしょうか。
担当者「例えば、理科の燃焼実験などで注意事項を説明しているときに、自分の判断で水分を摂取していると、内容を聞き逃してしまい、結果的に大きなけがにつながってしまう可能性が少なからずあるためです」
Q.学校への水筒の持ち込みに関し、保護者からはどのような意見が寄せられていますか。
担当者「本年度、水筒の持ち込みに関する教育委員会への苦情はありません。以前、年間に数件ありましたが、いずれも水筒の持ち込みや中身について、学校側の配慮が保護者にうまく伝わらなかったことが理由でした。すぐに解決しており、大きなトラブルにはなりませんでした」
Q.現場の教師から、「水筒の扱いをどうしたらいいか分からない」など、相談が寄せられたことはありますか。
担当者「ありません」
Q.もし、生徒が水分を取らないことによって熱中症に陥ってしまった場合、責任は誰が取るのでしょうか。
担当者「各学校の管理職です」
(オトナンサー編集部)
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