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あなたの思考は10年前にできている? 精神科医が教えるインプット術

近著に「学び効率が最大化するインプット大全」がある精神科医の樺沢紫苑さんは、10年後に備えた「インプット」が必要だと指摘します。

インプットには長い時間が必要?
インプットには長い時間が必要?

 インターネット上のデジタル情報は、20年前から5000倍に増えているといわれています。従来型のインプット術では時間も手間もかかりすぎます。「スマホ疲れ」「情報疲れ」していませんか。読書、勉強、記憶、情報収集など、限られた時間で良質な学びを手に入れるには、どうしたらよいのでしょうか。

 今回は、精神科医の樺沢紫苑さんにヒントを伺います。近著に「学び効率が最大化するインプット大全」(サンクチュアリ出版)があります。40万部を突破した「学びを結果に変えるアウトプット大全」(同)の続編にあたります。

即効性を求めるいまの人たち

「ローマは一日にして成らず」ということわざがあります。ローマ帝国も、築くまでに約700年の歳月を費やしました。何かをなしとげるには長い時間と努力が必要とされますが、いまの人は即効性を求める傾向にあると樺沢さんは警鐘を鳴らします。

「以前、次のようなことがありました。『勉強の効果が出てくるまで、どのくらいの時間がかかりますか』と聞かれた私は、すかさず答えました。『10年です!』。質問した人が、ものすごくがっかりした顔をしたのを覚えています。10年という時間の長さにがく然としたのでしょう。『アウトプット大全』がベストセラーになった今、つくづく思います。10年前に読んだ本がようやく今、役に立っている」(樺沢さん)

「10年前から、しっかりとインプットを続けていて本当によかったと。本を読んで、すぐに得られる効果もたくさんあります。しかし、読んだ直後は、ただ『知っている』だけ。その内容が、自然に行動できるまでに落とし込まれてはいないのです」

 たとえば、「朝一番でToDoリストを書こう」というノウハウを学んで、次の朝から実行しようとすることはできます。半年、1年と続けていくことで、それが習慣となり、机に向かうと、意識せずともToDoリストを書けると期待できます。

「これは、知識が自分の血となり肉となり、習慣化されたということです。考えなくても無意識にやっている状態、つまり、単に『知っている』だけではなく『身についている』という状態にするには、ある程度の時間が必要です。2009年に、私が初めてのビジネス書『一億稼ぐ人の心理戦術』を出版したときに思いました」

「多くの人のワークスタイルを変えるような、その時代を代表するようなビジネス書を出したい! そのために膨大なインプットとアウトプットを繰り返し、その9年後に『アウトプット大全』が完成しました。10年後の『なりたい自分』になるために『備える』インプツトも絶対に必要なのです」

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尾藤克之(びとう・かつゆき)

コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員

東京都出身。代議士秘書、大手コンサルティングファームにて、経営・事業開発支援、組織人事問題に関する業務に従事、IT系上場企業などの役員を経て現職。現在は障害者支援団体のアスカ王国(橋本久美子会長/橋本龍太郎首相夫人)をライフワークとしている。NHKや民放各社のテレビ出演や、経済誌などからの取材・掲載多数。著書も多く、近著に「3行で人を動かす文章術」(WAVE出版)がある。埼玉大学大学院経済学研究博士課程前期(経済学修士、経営学修士)。

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