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「冷たいものを食べすぎるとおなかを壊す」 有名な話だけど、そのメカニズムは?

冷たいものを取りすぎると、おなかを壊すことは有名な話。しかし、そのメカニズムまで知っている人は、少ないのではないでしょうか。

冷たいもので腹痛や下痢になるメカニズムは?
冷たいもので腹痛や下痢になるメカニズムは?

 暑さが本番を迎え、冷たい飲み物やアイスをつい飲みすぎたり、食べ過ぎたりしてしまう人も多いことでしょう。冷たいものを取りすぎるとたいてい、おなかを壊してしまうことは、誰もが当たり前のように認識しています。一方で、「冷たいものでおなかが冷えるから腹痛や下痢が起きる」と知っていても、腹痛や下痢が起こるメカニズムを理解している人は少ないのではないでしょうか。内科医の市原由美江さんに聞きました。

消化器官が冷やされ、機能低下?

Q.冷たいものを取りすぎると、おなかを壊して腹痛や下痢になります。これらの症状は、体内のどのようなメカニズムで起きるのですか。

市原さん「冷たい飲み物や食べ物は、口から胃、小腸、大腸と内臓を冷やしながら消化吸収されます。そうすることで、胃や小腸、大腸の温度が下がって血行が悪くなり、消化や栄養を吸収する機能が低下します。特に、小腸や大腸での水分の吸収が悪くなるため、下痢を引き起こすと考えられています。ただ、はっきりとした医学的なメカニズムは明らかになっていません」

Q.何度くらいのものが、どれくらいの量で体内に入るとおなかを壊しやすいのか、ある程度の基準は分かっているのでしょうか。

市原さん「世の中には、冷たいものを食べてもおなかを壊さない人もおり、一概に何度くらいの冷たいものを摂取したらいけないという基準はありません。冷たいものでおなかを壊しやすい人は、普段から常温以上の温度のものを食べる方がいいでしょう」

Q.同じ量のアイスクリームを食べたとしても、おなかを壊す人と壊さない人がいます。また、かき氷を1回に2~3杯食べても、おなかを壊す人と壊さない人がいます。その日の体調が同じだとすると、この差はどのような要因から生まれるのですか。

市原さん「確かに、おなかを壊しにくい体質の人はいます。ただ、なぜ強いかと言われても、それは医学的に解明されておらず、体質としか言いようがありません」

Q.「正露丸」は、真夏の8月が1年で最も売れるそうです。それだけ人は、自分の冷たいものを取り入れられる限界を分かっていないのだと思います。どうすれば、おなかを壊すか壊さないかの境目を知ることができるでしょうか。

市原さん「夏は暑さのせいで、冷たい飲み物や食べ物を無意識に口に入れてしまうことが多いと思います。目安になるような境目があるわけではなく、経験則で予防するしかないのではないでしょうか。冷たい飲み物や食べ物を取った後におなかを壊した経験があれば、自分は冷たいものに弱いことを意識して注意するしかないでしょう」

Q.冷たいものを多めに食べつつ、おなかを壊さないコツがあれば教えてください。

市原さん「冷たいものを食べた後に温かい飲み物などを飲むことで、胃腸の刺激は抑えられるとは思いますが、そもそも暑いために冷たいものを食べているので、これは難しいかもしれません」

(オトナンサー編集部)

市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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