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「占い」を信じる人/信じない人の違いとは 占いと上手に付き合うためのポイントは?

依存すると日常生活に支障も…

Q.占いを「当たっている」と感じやすい、もしくは「占いに頼りたくなる」心理状態とは、どのようなものでしょうか。

小日向さん「人間の心理には、誰にでも当てはまる要素があります。例えば、『今、あなたは将来に不安がありますね』と言われたらどうでしょうか。未来は誰にも分からないので、不安があるかないかと言われたら、ほとんどの人は『ある』と思います。冷静に考えれば、その言葉で『当たった!』とはなりませんが、もし、とても大きな不安を抱えているときにそう言われたとしたら、『当てられた!』と思ってしまう人が多いのではないでしょうか。

人は心が不安定なときほど、他人の言葉に刺激を受けるものですが、それが『占い』という目に見えないものであればあるほど神秘性を感じ、信じやすくなります。そして、ここに『事前情報』『雰囲気』が影響を及ぼします。

事前情報とは、『これから占ってもらう人はとてもよく当たる占い師さん』『なかなか予約が取れない人気者』といった口コミや、朝のテレビで見た星座占い情報などのことをいい、雰囲気とは、『厳かな空間』『ミステリアスな様相』など、占いをする場所(環境)のことを指します。心が不安定なときほど占いに頼りたくなることに加え、空気にのまれやすく、口コミを信じやすい人ほど“ハマる”可能性が高くなるのです」

Q.占いを信じすぎるあまり、「依存症」のような状態になっている人もいるようですが、どのような弊害が考えられますか。

小日向さん「『占い依存症』の定義も、アルコール依存やギャンブル依存と同様に、『対象に過度に熱中することによって日常生活に支障が出る』ことです。例えば、占い師から、『今日は南の方角に行くべきです』と言われると、それが会社とは逆方向であるにもかかわらず、南に進んで遠回りをした結果、会社に遅刻をするケースなどがあります。また、占いをしてもらうお金がなくなったり、身に着けるように言われた高価なアクセサリーや物を購入するために借金をして経済的に困窮したりする、といったことです。

他の依存症とは異なる占い依存症の怖いところは、そこに『占い師と自分』という対人関係が存在することです。占い師自身が、癒やされていない人に頼ってしまうと、占いする側・される側に『共依存関係』が生まれ、特に危険です。つまり、占いに頼る側だけでなく、占い師側も頼られることに自分のアイデンティティーを見いだし、離れられなくなるのです。

占い師自身が、無意識的に自分のことを頼ってくるようにコントロールする発言をするようになると、占いをされる側が家族や親友との関係を切ったり、裏切ったりしてしまうようになります」

Q.占いと上手に付き合っていくために、日常生活で意識すべきことは何でしょうか。

小日向さん「占いは“心のサプリメント”だと考えてください。体が疲れたときに栄養ドリンクを飲むと、一時的にパワーチャージできますが、日常的に飲み続けていると、効き目が分からなくなり、耐性がついてまひしてしまうと依存する危険性もあります。また、栄養ドリンクは一般に金額が高いものほど効能も強いですが、効果が切れた後、反動としてやってくる脱力感はつらいものです。効能を求めて栄養ドリンクに頼り、それを繰り返しているうちに、疲れの癒し方が他にもあることに気が付かなくなってしまいます。

占いは“ちょっとした楽しみ”、つまり娯楽です。日常生活の中で占いと接するとき、“心のサプリメント”と思うだけで受け取り方は変わってくると思います。サプリメントは規定量を超えないように正しく服用し、効果がなければ中止する必要があります。自分と向き合い、一生懸命考えて決めていくことが“主食”であり、主食を抜かないことが大切なのです」

(オトナンサー編集部)

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小日向るり子(こひなた・るりこ)

心理カウンセラー

カウンセリングスペース「フィールマインド」代表。出版社で働きながらボランティアで電話相談員を始めたことが、カウンセリングの世界に入るきっかけに。資格取得後、行政機関でのセクハラ相談員を経て、2012年に独立。2019年4月現在、約3500件の相談実績を持つ。メディア、ネットなどで心理・恋愛系コラムを多数執筆。フィールマインド(http://feel-mind.net/)。

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