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図書館で借りた本を記録できる“読書の通帳”が話題に、子どもの意欲向上にも一役

2010年に下関市でサービス開始

大阪・八尾市立図書館に設置されている「読書通帳機」(内田洋行提供)
大阪・八尾市立図書館に設置されている「読書通帳機」(内田洋行提供)

 貸し出し履歴の印字サービスを国内で最初に手掛けたのは、情報システムなどの専門商社、内田洋行(東京都中央区)です。2010年にICタグ付きの「読書通帳」や読み取り端末「読書通帳機」を開発し、山口県の下関市立図書館が最初に導入しました。現在、同社の機器は37自治体の公立図書館や私立学校で、計71台導入されています。

 自治体ソリューション事業部ユビキタスライブラリー部の中賀伸芳部長に聞きました。

Q.なぜ「読書通帳」「読書通帳機」を開発したのでしょうか。

中賀さん「下関市から『新しい図書館を開設するにあたり、従来にない取り組みをしたい』と相談を受けたためです。以前から『読書履歴を残したい』という図書館利用者のニーズに注目していたので、実現すれば面白いのではないかと考えました」

Q.個人情報の特定につながる可能性について、不安はありませんでしたか。

中賀さん「当初は不安だというご意見を多く頂いていました。そこで、各図書館と相談し、通帳には利用者番号のみを記載し、名前の記入は利用者の任意としました。その後、不安の声はほぼなくなりました」

Q.読書記録の印字サービスにおける国内シェアは。

中賀さん「約9割です」

Q.「読書通帳」に記載できる冊数は。また、本の値段は印字できるのでしょうか。

中賀さん「見開きで9ページあり、216冊分印字できます。本の値段は印字可能ですが、各図書館によって対応が異なります。印字しない自治体の方が多いかと思います」

Q.各図書館での取り組み状況は。

中賀さん「兵庫県の西脇市図書館は、これまでに約2万冊の『読書通帳』を配布しています。西脇市の人口は約4万1000人ですから、読書の促進に力を入れていることが分かります。また、小学校1年生全員に『読書手帳』を配布したり、通帳を1冊完了した利用者に記念品を贈る図書館もあります」

Q.サービスについて、導入先の図書館の反応は。

中賀さん「子どもの利用が増え、絵本や学習本などの貸し出し冊数が増えたと聞いております。子どもが生まれたばかりの女性を対象に『読書通帳』のPRを積極的に実施する自治体もあり、母親の利用も増えています。このほか、学校の先生が『読書通帳』を通じて生徒に話を聞き、読書指導に活用するケースもあるそうです」

 読書履歴を「見える化」することで達成感が生まれ、子どもの読書意欲が向上するようです。地域の図書館で実施しているようであれば、一度利用してみてはいかがでしょうか。

(オトナンサー編集部)

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