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結婚式を欠席するときのマナー【ご祝儀、理由、電報などを徹底解説】

結婚式に招待されたものの、あいにく欠席をしなければならない時のマナーについて解説します。

結婚式を欠席するときのマナーとは?
結婚式を欠席するときのマナーとは?

 結婚式に招待されたものの、あいにく欠席をしなければならないときもあるでしょう。新郎新婦に極力迷惑をかけないように連絡し、欠席でもできる限りのお祝いの気持ちを伝えたいものです。結婚式の“欠席”という残念な知らせを、少しでも印象の良いものに変えるために知っておきたい大人のマナーについて、ヒロコマナーグループのマナー講師・岡澤ひとみさんに聞きました。

連絡はできるだけ早く

 結婚式を挙げたことのある人なら分かりますが、新郎新婦は結婚式に向けて相当な準備を重ねています。「招待客は誰にするか」「料理はどうするか」「引き出物は何をいくつ用意するか」。こうした準備は全て「どの人が結婚式に来てくれるか」という情報があるからこそ進むものです。

 また、一般的には結婚式の7日ほど前から、料理や引き出物に変更が生じた場合のキャンセル料が必要になるケースが多いです。このような理由から、新郎新婦にかかる労力や負担を少なくするため、欠席の連絡をできるだけ早く伝える心配りが不可欠です。

 多くの人は、結婚式の招待状が届く前に、「結婚式をするのですがお越しいただけますか」という打診をされます。その時点で、「既に予定が入っている」などの理由で欠席の旨を伝えることもあるでしょう。結婚というお祝いごとを断るときは、おめでたいムードに水を差さないよう、その理由は曖昧にするのが基本的なマナーとされています。

 しかし、理由によっては、はっきりと伝えた方がよいとされるものもあります。

【理由を伝えない方がよいケース】
・弔事に関すること
・身内の病気や介護
・金銭的な理由

 これらの理由によって欠席する場合は、具体的な内容を伝えるのは控え、打診があった時点で「やむを得ない事情がある」と伝えましょう。

【理由を伝えてもよいケース】
・身内の結婚式
・妊娠、出産
・仕事、出張
・留学

 これらの欠席の理由は「お祝いごとに水を差すものではない」とされているため、伝えても問題ないでしょう。

当日の予定がはっきり分からないとき

 打診されたものの、まだ予定が立たず何とも言えないときがあります。そのような場合はどうすべきでしょうか。

【基本的には断る】

 結婚式の日に仕事などの予定が入る可能性が高いものの、まだ確定していない場合、基本的には欠席の返事をするものだと思っておきましょう。直前になって欠席に変更されたり、当日に欠席されたりすると、新郎新婦が被るダメージが大きくなってしまいます。

【新郎新婦に相談】

 それでも結婚式に出席したい気持ちが大きい場合、予定が未確定である旨を新郎新婦に率直に伝えてもよいでしょう。その上で、新郎新婦に「それでも出席を」と言われた場合は、予定がはっきりする時期と、欠席の可能性があることも伝えておきます。

 それでは、打診された段階では「出席」の返事をしたものの、招待状が届いてから予定が変わり、欠席しなければならなくなったときはどうすべきでしょうか。

【まずは電話でおわび】

 招待状のみで欠席を知らせるのはNG。打診の時点で「出席」と伝えている場合、相手は当然、その返事が届くと思っているので、事前連絡のない突然の変更に驚いてしまいます。まずは、その変更をすぐに伝えるために電話で知らせましょう。メールで知らせる人も増えているようですが、心を込めておわびの気持ちを伝えるには電話がお勧めです。

「欠席」招待状にはどう書く?

 やむを得ない事情で欠席する場合、招待状の返事をどう書けばよいのか悩む人も多いことでしょう。欠席理由のパターン別にご紹介します。

【弔事で欠席する場合】

 電話で伝えるときも、改めて招待状で欠席理由を記すときも、身内の不幸など弔事に関係することについてははっきり伝えないのがマナーです。「当初は出席するつもりだったが、残念ながら欠席する」という気持ちを伝えましょう。

【招待状の書き方の例】

ご結婚おめでとうございます。
当日はやむを得ない所用が入ってしまい、出席することができません。
お二人の幸せを心よりお祈りしております。

【仕事・出張などで欠席する場合】

 欠席の理由が仕事や出張などの場合、電話でも招待状の返事でも、理由をはっきり伝えた方がよいケースもあります。新郎新婦との関係性も考慮しながら判断するとよいでしょう。

【招待状の書き方の例】

ご結婚おめでとうございます。
あいにく来月から、長期の海外出張が入ってしまいました。
残念ながら欠席させていただきます。
お二人の末永い幸せをお祈りします。

【妊娠・出産で欠席する場合】

 当初は出席の予定でも、妊娠中の体調変化などにより、招待状を受け取ってから、欠席の連絡をしなくてはならなくなることもあるでしょう。基本的に、妊娠や出産に関することはおめでたい理由なので、相手に伝えても問題ありません。

【招待状の書き方の例】

ご結婚おめでとうございます。
結婚式を楽しみにしていたのですが、出産の予定日が近づいているため、残念ながら欠席とさせていただきます。
お二人の幸せを心よりお祈りしています。

当日に欠席を伝えるときのマナー

 最も避けたいのが、結婚式当日にキャンセルをすること。やむを得ずそのような状況になったとき、気を付けたいポイントは次の通りです。

【連絡は会場担当者に】

 当日に欠席することが急遽(きゅうきょ)決まったとき、そのことを伝えるのは新郎新婦ではなく、会場担当者にしましょう。当日の新郎新婦は忙しく、そのような連絡を受けている余裕はありません。また、式が始まる前にそのような連絡を直接受けると、「何があったのだろう」と動揺させてしまいかねません。会場担当者に連絡し、新郎新婦の両親などの親族に欠席の旨を伝えてもらいましょう。

【欠席理由は端的に】

 結婚式当日のキャンセル理由を、会場担当者に長々と説明しても仕方ありません。ここは「やむを得ない事情で」と断るのがベターです。後ほど、新郎新婦に直接おわびすることを忘れずに。

欠席時のご祝儀や電報

「招待されたけど欠席の返事をした」または「当日欠席してしまった」場合、どうすべきか悩みがちなのが、ご祝儀や電報です。

 ご祝儀の金額は、「欠席」の返事を伝えたタイミングによって変わります。欠席の連絡のタイミングでお祝いの内容や金額がどのように変わるのか、お祝い金の目安とともに具体例をご紹介します。

【お祝い金の目安(結婚式出席時)】

・学生時代の友人(自分が20代):2万~3万円
・会社の同僚(自分が20代):2万~3万円
・友人、同僚(自分が30代以上):3万円
・先輩、上司、目上の友人:3万円
・直属の部下、後輩、親戚:3万~5万円
・ごく親しい親戚、兄弟姉妹:5万~10万円

【招待状が届く前に欠席連絡をした場合】

 招待状が届く前の段階ならば、まだキャンセル料が発生するまで時間があり、新郎新婦にかかる迷惑も少ないでしょう。この段階では、ご祝儀でもプレゼントでも構わないとされています。ご祝儀の金額は、出席する時に包むはずだった金額の3分の1程度が目安です。プレゼントの場合も、同等の金額のものを選ぶか、ご祝儀とプレゼントを合わせて、出席時のお祝い金の目安の3分の1になるようにしても問題ありません。

 招待状を受け取る前に欠席が決まったとはいえ、新郎新婦があなたを招待しようとしたのは事実です。当日は、電報が会場に届くように手配すると喜ばれるでしょう。

【招待状で欠席を伝えた場合】

 打診の段階では出席と伝えたものの、招待状の返事をするタイミングで欠席に変更となった場合のお祝いは、基本的に「招待状が届く前と同じようにする」と考えてよいでしょう。ご祝儀とプレゼントのどちらでもよいとされているので、お祝いの気持ちを込めて贈りましょう。当日の電報も同様に、オリジナルの言葉でお祝いを伝えるとよいです。

【招待状で『出席』と返事した後に欠席が決まった場合】

 打診の段階でも出席と伝え、招待状の返事でも出席と伝えたにもかかわらず、欠席となった場合、出席時に渡すはずだった金額と同額を渡すようにしましょう。このタイミングでの欠席連絡は、新郎新婦にとって大きな負担となるため、おわびの気持ちを込めて直接渡すか披露宴の1~2週間前には贈りたいものです。この場合も、電報は贈るべきです。お祝いの気持ちに加え、おわびの気持ちも込めて、二人のイメージに合う電報をしっかりと選びましょう。

【当日に急遽欠席をした場合】

 当日の欠席は、料理も引き出物も全て、あなたが来ることを想定して用意されています。もちろん、この場合は、出席時に渡すはずだった金額をそのまま贈ります。できれば、新郎新婦が落ち着いた頃、式が終わってあまり時間のたっていない時期に直接会って渡すのがベストです。おわびの品も添えるとさらによいでしょう。

 ご祝儀や電報は、欠席をしたタイミングによって贈り方が変わるものですが、これはあくまで目安と捉え、相手との関係性によっても変わることを認識しておきましょう。例えば、打診された後の早い段階で断ったとしても、その友人と仲が良く、自分の結婚式でご祝儀を贈ってもらっていた場合、本来予定していた金額を包む方がよいこともあります。相手との関係性や今後の付き合い方を考慮して決めましょう。

欠席でも、正しいマナーでお祝いの気持ちは伝わる

「当日、会場で新郎新婦を祝福することが最もよいですが、やむを得ず欠席することになっても二人をお祝いする気持ちは伝えることができます。そのために大切なのは、適切なマナーと相手を思いやる言葉で欠席を伝え、おわびと祝福の気持ちを込めたお祝いをすることです。新郎新婦の結婚式後、新生活が落ち着いた頃に、改めて欠席のおわびを伝え、式の写真などを見せてもらいながら、お祝いの気持ちを直接伝えられたらよいですね」(岡澤さん)

(オトナンサー編集部)

岡澤ひとみ(おかざわ・ひとみ)

ウエディング・ブライダルコンサルタント

株式会社WEDDGE代表取締役。ヒロコマナーグループFAST MANNER神戸代表。リーガロイヤルホテル、ザ・リッツ・カールトン大阪のウエディングプランナーとして、10年間で700組以上のウエディングを担当。婚礼施設の総支配人やブライダル専門学校の学科長を務める傍ら、自身のオリジナルプロデュース「花嫁ハンカチ」を発売。2017年に、ヒロコマナーグループ代表でマナーコンサルタントの西出ひろ子の伝える真心マナーと出会い共鳴、感動し、真心マナーをウエディング業界にも導入させる。ハッピー、幸せなウエディングを実現させる専門家として全国で活躍中。ヒロコマナーグループFAST MANNER(https://fastmanner.com/)。

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