札幌ガス爆発で注目 使用済みの「スプレー缶」はどう処分すべき? 実は自治体で違いも…
スプレー缶の処分方法が「よく分からない」という人も多いのではないでしょうか。実は、自治体によって異なるようです。

12月16日、札幌市豊平区で不動産仲介会社の店舗や居酒屋が倒壊する爆発事故が発生。同社の従業員が、大量のスプレー缶を廃棄するためにガス抜き作業をしていたことが判明し、ガスが引火した可能性が取り沙汰されています。ところで、スプレー缶の処分方法について「よく分からない」という人も多いのではないでしょうか。スプレー缶の処分方法について、環境省や自治体に聞きました。
フロンガス→可燃性のLPガスに切り替え
スプレー缶をごみに出す場合、爆発や引火の危険性があるため、必ず中身を空にする必要があります。しかし、中身を空にした後の処分方法については、各自治体でルールが異なります。缶に「穴を開けてから、ごみとして出す」自治体と「穴を開けずに、ごみとして出す」自治体があるのです。
缶にガスが残っていると、穴を開ける際に事故の危険性があるため、近年は「ゴミ出し前の缶の穴開けを不要」とする自治体が増えつつありますが、たとえば、政令指定都市でも、仙台市、相模原市、神戸市、岡山市は、缶に穴を開けてからごみに出すよう定めています。
なぜ、自治体ごとに缶の処分方法が異なるのでしょうか。環境省廃棄物適正処理推進課の担当者は次のように話します。
「地域によって状況が異なるため、各自治体に判断を委ねています。以前は、スプレー缶の噴射剤には不燃性のフロンガスが使用されていましたが、地球温暖化への影響が問題視されて可燃性のLPガスなどに替えられ、火災や死亡事故が発生するようになりました。環境省としては『穴を開けずに処分するのが望ましい』というスタンスで情報発信しています」
缶の穴開けをルール化している理由について、神戸市環境局環境政策部資源循環政策課の担当者は「穴が開いていない缶は中にガスが残っている可能性があり、回収の際、収集車の故障や火災につながりかねないためです。こうしたケースは年に数回発生しています」と回答。収集員が穴の開いていないスプレー缶を発見した場合は、収集車内の別のかごに入れて回収しているそうです。
ただ、同市は環境省の方針に従い、2020年度をめどに穴開けを不要とするよう、処分方法の見直しを検討しています。
穴を開けるか開けないか。いずれにしても、風通しが良く、火気のない場所で中身を使い切ることがまず大切です。その後、住んでいる自治体で定められたルールをチェックして、事故のないよう適切に処分しましょう。
(オトナンサー編集部)
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