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無傷で寝たまま検査? 「沈黙の臓器」対策の強い味方とは

肝臓検査は通常、血液検査や腹部エコー検査、脇腹から針を刺して行う「肝生検」などですが、手軽にできないなどの難点もありました。川崎市の新百合ヶ丘病院が始めた肝臓の専門ドック「脂肪肝ドック」はその点、身体を傷つけずに寝たまま、短時間で行えるのが特徴で、新しい検査方法として期待されています。

隠れ脂肪肝を軽く見てはいけない

 日本国内における一時点での患者割合を示す「有病率」が現在、3~5%の「非アルコール性脂肪肝炎」(NASH)。その名のとおり、アルコールを飲まない人でもかかってしまう病気で、肝硬変の前段階とされ、一般的に肥満や糖尿病がその原因と言われています。

「メタボリックシンドローム」という言葉が世間に認知されたことで、NASHにも注目が集まっています。今年9月には、東京大学医学部付属病院がNASH専用の治療アプリを使って臨床研究を開始したことが、一部メディアで報じられました。

短時間で肝臓の「硬さ」を知ることができる

 肝臓は別名「沈黙の臓器」と呼ばれ、病気が進行しても主だった症状が出にくいため、そのまま放置される可能性が高いと言われています。肝臓検査にはこれまで、血液検査や腹部エコー検査のほか、より確実な検査方法として、脇腹から針を刺して行う「肝生検」がありました。しかし、針を刺して実際の肝組織を採取するため、患者への負担が大きく、手軽に行うことができないといった声がありました。また、結果の判明に時間がかかる難点もありました。

 川崎市の新百合ヶ丘病院が、2016年秋から始めた肝臓の専門ドック「脂肪肝ドック」はその点、身体を傷つけずに寝たまま、短時間で行えるのが特徴。また、肝障害のリスクを左右する、肝臓の「硬さ」もわかるため、新しい検査方法として期待を集めています。

(オトナンサー編集部)

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