不動産投資は「買って終わり」ではない! 不動産投資に「失敗する人」が陥っている《3つの行動》があった
不動産投資に失敗する人(2)表面利回りにだまされる
投資家の人たちが物件を検討する際、まず意識を向けるのが「利回り」です。「利回り10%!」という広告にひかれて、実態をよく調べずに物件を購入する人は少なくありません。昨今の不動産投資ブームの影響で、本来見るべき数字を理解しないまま投資をする人がかなり多く、人生が狂ってしまった人を多く見てきました。これから紹介する内容はよく理解していただきたいと思います。
ポータルサイトや物件資料に掲載されている「利回り」は、正確には「表面利回り」を指します。これは、【年間満室想定賃料÷物件金額】で算出された数値であり、収益不動産の利回りはこの表面利回りで表示されるケースが一般的ですが、この数字は物件の正確な利回りを表していません。保有中は常に満室を維持できることはなく、空室や滞納が発生するため、年間満室想定賃料を実際の運用時に期待することは現実的ではないのです。
表面利回りに惑わされてしまうと、その利回りで投資できると勘違いを起こし、結果的にまったくもうからない物件を購入しかねません。
では、表面利回りを参考にしながらも、その物件の収益力をより具体的に把握するためにはどうすればよいのでしょうか。
まず、空室リスク・滞納リスクを加味した賃料を求める必要があります。これを「実効総収入」と定義づけ、【実効総収入=年間満室想定賃料-空室・滞納損失】で算出します。この空室・滞納損失は物件により異なりますが、新築なら年間満室想定賃料の3%、中古なら5~10%くらいの想定でよいでしょう。入居率が高い募集方法が取れる場合は、これより小さい値でよい場合もあります。年間満室想定賃料が1000万円、空室・滞納損失を5%とすれば、差し引いた実効総収入は950万円ということです。
さらに、物件を保有していると、さまざまな「運営費用(ランニングコスト)」が発生します。具体的には、「管理会社に支払う管理手数料」「建物管理費用」「水道光熱費」「固都税(固定資産税・都市計画税)」「原状回復費用」「修繕費用」「火災保険料・地震保険料」などが挙げられます。いくら実効総収入が高くても、運営費用が過大に発生する物件だった場合、手元に残るお金は少なくなります。
投資の最終判断時には正確に数字を把握する必要がありますが、情報がなく、概算で数字を出したい場合には、年間満室想定賃料の20〜30%程度で見ておくとよいでしょう。よって、先に求めた実効総収入から運営費用を控除すれば、正確な収入を導き出せます。
これを「純営業収益(NOI:Net Operating Income)」といいます。【純営業収益(NOI)=実効総収入-運営費用】で導き出せ、先ほどの例になぞらえると、空室率5%・運営費用20%として、年間満室想定賃料1000万円で実効総収入が950万円なら、ここから運営費用200万円を差し引いた750万円がNOIとなります。このNOIが物件の本当の収益力を表しています。
さらに深掘りした捉え方としては、物件を現金購入した場合の、投資家が受け取る「税引前キャッシュフロー(以下「税引前CF」)」となります。所得税や住民税、法人税を支払う前の手取り収入ということです。実際は、多くの投資家は融資を受けて物件を購入しますので、最終的な税引前CFは金融機関への元金と利息の返済金額を引いた金額で【税引前CF=NOI-元利返済額】で算出されます。不動産投資・賃貸経営を始めるにあたり、最低限ここまでは収支計算をしなければなりません。
表面利回りは単純に求められるので、使いやすい指標ではあります。しかし、投資判断の際は空室や滞納損失を考慮し、さらに運営費用を確認することで、正しい投資判断ができるようになるのです。この違いをしっかりと理解し、表面利回りに惑わされないようにしましょう。





コメント