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欲しいという声多数! 健康に良いとされ、水分補給に適した「白湯」が売られない理由

女性から支持されたものの…

 伊藤園広報部の担当者に話を聞きました。

Q.「あたたかい天然水」は現在も販売していますか。

担当者「現在は販売しておりません」

Q.いつまでの販売だったのでしょうか。なぜ販売をやめたのですか。

担当者「『ミネラルウォーター市場に新しい価値を創造する』ことを目的に、2007年10月に発売し、年明けのホット飲料の需要期まで販売しました。販売期間中は、喉のケアを気にされる皆さんや、サプリメントを白湯で飲まれる皆さんから評価を頂いておりましたが、全体としての販売数量が思わしくなかったため、販売を終了しました」

Q.その後、白湯の商品は出ていませんか。

担当者「ございません」

Q.伊藤園に限らず、白湯をコンビニや自販機で売っているのを見たことがありません。

担当者「白湯を飲む人の絶対数が、他の飲み物を飲む人に比べて少ないことや、白湯の飲用シーンが、『朝起きてすぐ』など家庭でのシーンが多いことが理由ではないかと思います。ホット対応ペットボトルは加温状態での販売なので、家庭での飲用需要にお応えできなかったのかも知れません。

また、白湯に限らずホット飲料は品質管理上、加温状態での販売は2週間ほどしかできません。加温状態の売り場面積が限られる中、飲用者が少ない商品でラインアップを増加させるのは難しいのです」

Q.ミネラルウオーター、つまり冷たい水は多くの自販機で売っています。

担当者「冷たい水は、白湯とは逆に賞味期間が長いです」

 次に、2014年11月発売の「富士山のバナジウム天然水 ホット」について、アサヒグループホールディングス(HD)の広報担当者に聞きました。

Q.発売時の反響は。

担当者「当時は、都心型の店舗で女性からの支持が一定数獲得できました。しかし、期間限定販売の商品で現在は販売しておりません。ほかに白湯の商品はありません」

Q.なぜですか。白湯は他社でもなかなか見かけません。

担当者「温めて飲む白湯の需要は、ターゲットが狭いためボリュームが稼げず、なかなか製品化に至りません」

Q.白湯を販売することの難しさや課題は。

担当者「ホット商品は販売時に温度を一定に保つ必要があります。さらに、2週間以内に販売・飲用いただく必要もあり、品質管理や販売オペレーションに課題があります」

 また、日本コカ・コーラ、サントリー食品インターナショナル、キリンは「白湯の販売実績はありません」と回答。キリン(東京都中野区)からは「現在の水の容器はホット対応を行っておらず、もし販売するとなると新商品を開発する必要がありますが、世の中のニーズが多いとは捉えていません」との説明がありました。

 白湯が今冬、商品として登場するのは難しそうですが、伊藤園の担当者に今後の可能性を問うと、次のような答えをもらいました。

「現在のところ、弊社での展開の予定はありませんが、今後、白湯の健康性や飲用者の拡大などで需要が増加する可能性はあるかもしれません。引き続き、世の中のニーズに対応してまいります」

(オトナンサー編集部)

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市原由美江(いちはら・ゆみえ)

医師(内科・糖尿病専門医)

横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック副院長。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医に。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のために患者会や企業での講演活動を行っている。また、医師と患者両方の立場から患者の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。糖尿病専門医として、患者としての経験から、ダイエットや食事療法、糖質管理などの食に関する知識が豊富。1児の母として子育てをしながら仕事や家事をパワフルにこなしている。オフィシャルブログ(https://ameblo.jp/yumie6822/)。

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