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【婚活】「まるで食い逃げじゃないか」 初デートで高級焼き肉…会話は素っ気ないのに箸はよく動く女性に3万円支払った45歳男性の「その後」

婚活シーンにおいて鍵を握る「デートでのお支払い」。結婚相談所を運営する筆者が知るエピソードから、支払いが交際に及ぼす影響について考えます。

デートでのお支払いが、交際の行方を左右する…?
デートでのお支払いが、交際の行方を左右する…?

 結婚相談所でのお見合いでは、最初の「お茶代」は男性が支払うのが一般的なマナーとされています。その後、「仮交際」に進んでからのデートでのお支払いには明確な決まりはなく、「男性がすべて払う」「男性が多めに出して“女子割”にする」「完全に割り勘にする」など、それぞれのカップルに委ねられています。

 しかし、この“支払いの仕方”が、交際の行方を大きく左右することもあります。結婚相談所を運営する筆者とともに、デートのお支払いがその後の交際にどう響くか、一緒に考えていきましょう。

ランチ代が2人で2万円超

 男女平等やジェンダー平等が重視される現代では、結婚後の家事や育児は「夫婦で分担するのが当たり前」という価値観が広まりつつあります。

 若い世代では、デート代を割り勘にするカップルも増えてきているようです。ただ、結婚相談所での出会いの場合は、世代に関係なくいまだに、「男性が支払って当然」と考える女性が多いのが現状です。

 結婚相談所では、仮交際の期間中は複数の方と同時に交際したり、新たなお見合いを進めたりすることも可能です。そのため、多くの男性は、「割り勘にしてケチだと思われるよりも、気前よくごちそうした方が自分を選んでもらえる可能性が高くなる」と考えているのも、払う理由の一つでしょう。

 ただ、こんなちゃっかり女性たちに出会ったら、男性はどう感じるでしょうか?

 あきおさん(29歳、仮名)は、みちさん(28歳、仮名)とお見合い後に、仮交際に入りました。初めてのデートは、ある日曜日のランチでした。

 あきおさんは、にこやかで落ち着いた雰囲気のみちさんを、お見合いのときからとても気に入っていました。この交際を何とかうまく結婚にまでつなげられればいいなと思い、初めてのランチをするレストランも、ちょっと背伸びをして隠れ家的な雰囲気のあるところを予約していました。

 レストランに到着し、案内された席に座ると、みちさんはメニューをじっと見つめていました。何か決めかねているようだったので、「このパスタ、おいしそうですよ」とか「このピザも人気みたいです」と、あきおさんはメニューを指しながらいくつか提案をしました。

 そこには、パスタかピザを1品頼み、小さなデザートとお茶をつければ、1人3000円くらいで食べられるランチセットがあったのです。

 しかし、みちさんは「そうですねぇ」とうなずきながらも、メニューをめくって裏面のページに視線を移し、「あの、これはどうですか?」と、1人1万円の、ランチセットではない一番高いフルコースを示してきたのです。2人分払ったら2万円になってしまいます。

 あきおさんは、内心ギョッとして「これは、高いなぁ」とためらいました。しかし、みちさんと過ごす時間に期待していたこともあり、「たまにはこういうぜいたくもいいか」と自分を納得させて、そのコースをお願いすることにしました。

 食事中の会話は楽しく、共通の趣味や日常の出来事など、話題も尽きることがなく、時間はあっという間に過ぎました。

 別れ際にはみちさんから、「次はどこに行きましょうか? 私、お寿司が好きなんです」と言われました。そして、次に会う日にちも自然な流れで取り交わしました。

 しかし、その日の夜、一人で落ち着いて考えているうちに、ある思いがあきおさんの頭をよぎりました。

「今日の調子でいったら、お寿司といっても回転寿司ではなく、カウンターの高級寿司かもしれない。そうしたら、1人1万円では済まないぞ」

 みちさんの金銭感覚や価値観に、自分とはあまりにもかけ離れているものを感じたのです。

「29歳の普通のサラリーマンである自分が、みちさんとお付き合いしていくのは難しい」

 そう感じ、交際終了を出すことにしました。

 ちなみに、あきおさんの年収は450万円、みちさんの年収は非公開ですが、派遣社員とのことなので、おそらく250万円程度と推察されます。

 みちさんは、ご自身では高級な食事がなかなかできないため、婚活で男性に支払ってもらう際に、その機会を利用して高い食事を楽しんでいるのかもしれません。

 もしそうであるならば、少々図々しい印象を与えてしまう可能性がありますし、そうした姿勢では成婚は難しいかもしれません。

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鎌田れい(かまた・れい)

仲人・ライター

雑誌や書籍のライターとして活動。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も手がけてきた。あるカリスマ仲人を取材したことをきっかけに「ご縁を結ぶ仕事」に興味を持ち、現在は結婚ナビゲーターとしても活動中。婚活のためのレクチャーやイベントも多数開催する。プライベートでは、婚活パーティーで知り合った夫と結婚し、双子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。「最短結婚ナビ公式サイト」(http://www.saitankekkon.jp)、YouTube「仲人はミタ チャンネル」(https://www.youtube.com/channel/UCObGYwIfj_oY-cm9LlnFmdA)。

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