台風24号で…「近大マグロ」3700匹に被害 高波で網に衝突か、被害総額2億円の見込み
近畿大学が鹿児島県瀬戸内町で養殖している「近大マグロ」3000匹以上が、台風24号の影響で死んでいたことが分かりました。

近畿大学は10月11日、台風24号による高波の影響で、鹿児島県瀬戸内町で養殖していたクロマグロ約3700匹が死んだと発表しました。「近大マグロ」として出荷予定のもので、被害総額は約2億円に上る見込み。近大では、9月上旬にも台風21号の影響で和歌山県串本町で養殖していたクロマグロ約600匹が死んだり、いなくなったりするなどの被害が出ていました。
鹿児島県の養殖場に高波被害
近大によると、瀬戸内町の養殖場で養殖していたクロマグロ約7000匹のうち、半数以上の約3700匹が死んでいました。養殖場では、年代別にいけすを分けて養殖しており、一番古いもので2015年から養殖を始めたマグロも含まれていました。死んだマグロのうち約800匹の体重は40キロ以上で、近く飲食店などに出荷する予定だったそうです。
近畿大学水産研究所の担当者は「台風によって発生した高波の影響で、マグロが網にぶつかるなどして死んだとみています。いけす自体に被害はありませんでした」と話しています。なお、台風21号でも被害を受けたことで、瀬戸内町の施設でも事前にいけすと海底の重りをつなぐロープを交換するなどの対策を施していたとのことです。また、マグロ以外にも、高級魚として知られるクエ約5000匹が全滅する被害もありました。
近大は、1970年にクロマグロの養殖技術開発に関する研究を開始し、2002年に世界初の完全養殖に成功。その後、2004年に、養殖したクロマグロの出荷を開始し、「近大マグロ」としてブランド化を進めてきました。
(報道チーム)
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